横浜労災病院リウマチ・膠原病内科の大和田高義氏

 インフリキシマブIFX)やエタネルセプトETN)などの抗TNF薬の登場は、関節リウマチRA)治療に劇的な変化をもたらした。しかし、これらの薬剤にも、一定の割合で治療抵抗性を示す患者群が存在する。IFXからETNへ、あるいはETNからIFXへの切り替えはその打開策のひとつとして期待されているが、切り替え例7例の経過を追った横浜労災病院リウマチ・膠原病内科の大和田高義氏らは、その成績が必ずしも良好ではなかったことを、第51回日本リウマチ学会の一般口演で報告した。

 同氏らの施設では、これまで43例のRA患者にIFXを導入。無効と判定された7例にETNへの切り替えを行っている。IFX導入時の年齢は34〜62歳(平均47.3歳)であり、全例がメトトレキサートMTX)とプレドニゾロンPSL)を投与されていた。IFX投与14週後の効果判定では2例がModerate responseと有効であったが、1例が26週、もう1例が以降に疾患活動性の悪化を呈し、二次無効と判定された。また、残る5例は14週以前から有効性が低かった症例であった。

 ETNへの切り替え後24週時の効果判定で、1例がGood response、6例がModerate responseと判定された。しかしPSLの完全な離脱やMTXの減量にまでは至らず、3例では依然として高活動性(DAS28>5.1)が認められたため、抗リウマチ薬(DMARDs)の追加や増量を必要とした。

 次に大和田氏らは、切り替え症例の臨床的特徴を明らかにするために、この7例とIFX継続症例(n=36)の背景因子や臨床症状、血液検査値などの比較を行った。その結果、両群の人口統計学的因子や臨床症状には有意な違いは認められなかったが、ベースライン時のCRP値と疾患活動性(DAS28スコア)は、切り替え症例のほうが有意に高値であった(CRP:5.8±1.1mg/dL vs 2.5±0.4mg/dL、DAS28:6.86±0.20 vs 5.77±0.20、いずれもp<0.05)。

 すなわち、IFX無効のために切り替えを行った7例は、切り替えをせずに継続した例に比して疾患活動性が高い症例であったことがうかがわれる。大和田氏は、「こうした患者では、ETNへの切り替えを行っても、治療に難渋することが予想される」と述べた。