東京女子医科大学東医療センター整形外科の神戸克明氏

 これまでに186例のインフリキシマブIFX)による治療経験をもつ、東京女子医科大学東医療センター整形外科の神戸克明氏らは、第51回日本リウマチ学会の一般口演で4月27日、その長期継続率について報告。早期に寛解導入できればIFXから離脱できる可能性も高くなること、特に若年者やCRP低値例では寛解導入の成功率が高いことを明らかにした。さらに、IFX投与例による「寛解」は、臨床的寛解にとどまらず、骨代謝関節破壊の改善・修復を伴う「画像的寛解」であることも併せて報告した。

 同氏らの施設では、IFX効果減弱例への対策として、積極的に関節鏡下滑膜切除術を行っている。その甲斐あって、IFXの1年継続率は87%、2年継続率は82%という良好な成績を得ている。

 治療を継続しなくなった患者の中には、寛解を得たことでIFX治療からの離脱を果たした症例も8例含まれており、寛解導入者(68例)における離脱成功率は11.8%だった。さらに、早期に寛解導入に成功した28例に限れば、離脱成功率は25%と、その確率はさらに2倍に高まることが明らかになった。

 これらの事実から、IFXは長期間継続投与しながら寛解を維持するという使われ方が一般的だが、早期症例には時期を逸さず積極的に使用開始することで寛解導入を得て、その後は離脱を試みるという使い方も、同薬の薬剤費を配慮すれば理想的な使用法であると思われる。

 そこで同氏らが、Cox回帰分析により継続率に影響を与える因子の検索を行ったところ、投与前のCRP値(p=0.041)と年齢(p=0.034)の2つの因子が浮上。比較的若く、CRP低値の患者では、特にIFX治療から離脱できる可能性が高いことが示唆された。

 さらに神戸氏は、同薬による骨代謝への影響を検討した。その結果、寛解症例では関節破壊の指標であるMMP-3値の著明な低下が認められた(p=0.043)。一方、骨吸収の指標である尿中NTx値については、寛解症例全体としては有意な変化は認められなかったが、リウマトイド因子が改善した症例においては尿中NTx値の有意な低下(p=0.043)が認められた。また、IFX投与例では骨梁間に新生骨組織が認められるなど、画像的・組織学的検討でも、骨代謝の改善が確認された。

 以上より、IFX治療では、臨床的寛解にとどまらず画像的な寛解を得ることも可能であり、場合によってはIFXからの完全離脱も可能であると示唆された。神戸氏は、「比較的若くCRP低値の患者は、IFXからの離脱を視野に入れて治療し、高齢者やCRP高値の患者には、アグレッシブにCRPの低下を図ることが必要と思われる」と述べた。