丸の内病院(松本市)リウマチセンターの山崎秀氏

 地域でリウマチ医療を担う医師の8割超が整形外科医−長野県内の医師アンケート調査を基に、都市部とは異なる地域リウマチ医療の実態の一端が示された。丸の内病院(松本市)リウマチセンターの山崎秀氏が、第51回日本リウマチ学会の一般口演で、4月26日に報告した。

 研究グループは、2006年11月から12月にかけて、信州リウマチ膠原病懇談会の登録者のうち、長野県内でリウマチ医療に携わっている医師240人を対象にアンケート調査を実施、105人(43.8%)から回答を得た。

 回答者の82%が整形外科医で、内科医は11%だった。回答した医師が診療している患者数は4613人で、これは長野県の人口にリウマチの推定有病率0.6%を乗じた県内患者数1万2000人のほぼ4割に相当するという。

 個々の医師(医療施設)が担当する患者数は「50人以下」が43%で最も多く、次いで「10人以下」が38%で、8割超の医師は少ない患者数を分担していた。その一方で、「501人以上」を受け持つ医師・施設が3%(3件)ある。単純計算では、この3件だけで、回答者の診療患者数の3分の1以上、長野県の全リウマチ患者の8人に1人以上を受け持っていることになる。

 使用している抗リウマチ薬を挙げてもらったところ、ブシラミンが80%超で最も多く、次いでメトトレキサートMTX)が約80%、サラゾスルファピリジンSASP)約70%、金製剤GST)約60%の順だった。このうち、使用頻度の多い薬剤としてMTXとブシラミンが多く挙がった。

 2006年末と調査時期が新しいにもかかわらず、生物学的製剤を使用していると回答した医師は32人(30%)と少なかった。インフリキシマブは23人、エタネルセプトは19人が使っていた。回答した医師の4割が開業医だが、生物学的製剤の使用は病院・大学が大半を占めた。

 現在、生物学的製剤を使用していない医師のうち、「専門医と連携できれば使用する」との回答が3割を占めた。これについて山崎氏は、「地理的要因で専門医との連携をとりにくい。副作用や合併症に対応できる専門医との連携を確保し、最新のリウマチ治療を広く普及させる必要がある」としていた。