関節リウマチRA)患者の多くは、骨粗鬆症骨折のリスクを高めるステロイド薬を服用しているが、その他にも身体活動性低下、炎症などといったリスク要因を併せ持つ。2004年に公表された「ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン」に基づく治療は、こうしたステロイド薬服用RA患者においても適切とする研究成果が示された。第51回日本リウマチ学会で4月28日、国立病院機構相模原病院リウマチ科の中山久徳氏が報告した。

 RAはそれ自体、骨粗鬆症の危険因子とされるが、ステロイド薬の服用により、骨粗鬆症や骨折のリスクが一層高まることもわかっている。中山氏らが以前、RA患者675例を対象に行った検討では、全体の70.0%を占めたステロイド薬服用群における骨粗鬆症、椎体骨折(1カ所以上)の有病率はそれぞれ58.4%、21.7%で、非服用群に比べて有意に高かった。ステロイド薬服用RA患者に対する骨粗鬆症対策の重要性がうかがえる。

 日本骨代謝学会の「ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン2004年版」では、ステロイド薬を3カ月以上使用中または使用予定で、(1)既存脆弱性骨折あるいは治療中の新規骨折が認められる場合、(2) (1)の骨折は認められないが、骨密度が若年成人平均値(YAM)の80%未満の場合、(3)骨密度がYAM 80%以上でも、ステロイド薬をプレドニゾロン(PSL)換算で1日5mg以上服用している場合、については一般的指導と治療が必要であり、その他の場合は一般的指導と経過観察でよいとしている。治療ではビスフォスフォネートBP)製剤を第1選択薬に掲げている。

 ステロイド薬服用以外にも骨粗鬆症のリスクを併せ持つRA患者で、同ガイドラインに基づく治療適応判断と治療を行った場合、骨折を予防できるかどうかは、RA患者を診療する医師にとって大きな関心事だ。

 中山氏らは今回、ステロイド薬服用RA患者における同ガイドライン適用の妥当性を後ろ向きに検討した。対象は、BP製剤や選択的エストロゲン受容体モジュレーターSERM)を2年以上投与されていないRA患者129例(うち女性121例、平均年齢59.8歳)。129例中86例(66.7%)がステロイド薬をPSL換算で平均1日4.8mg、2年以上服用していた。

 新規椎体骨折は2年間に、86例中18例(20.9%)に認められた。これら18例をガイドラインに当てはめると、上記の(1)に12例、(2)に1例、(3)に5例が振り分けられ、経過観察に該当した症例はなかった。すなわち、骨折リスクの高いRA患者はすべて治療を推奨するグループに囲い込まれることがわかった。

 この成績から、中山氏は「ステロイド薬服用RA患者に対しても、ステロイド性骨粗鬆症のガイドラインを適用することは妥当であり、骨折リスクの高い症例に対して治療介入する際の適切な一つの指針になる」と結論付けた。

 ただし、ステロイド薬を服用していないRA患者にも骨粗鬆症は多く認められるため、「今後、身体活動性、炎症の程度など、ステロイド薬以外の骨折リスク要因も踏まえたRA患者のためのガイドラインを作ることが望まれる」とも述べた。中山氏も加わっている厚生労働省研究班ではガイドライン策定の動きもあるようだ。