国立病院機構相模原病院リウマチ科の中山久徳氏

 関節リウマチRA)患者は骨粗鬆症を合併しやすく、骨折頻度も一般人口に比べて明らかに高い。どんな骨粗鬆症治療を行うと、どの程度の骨折予防効果が得られるのか、エビデンスレベルの高い検討で明らかにしていく必要がある。

 国立病院機構相模原病院リウマチ科の中山久徳氏らは、第51回日本リウマチ学会の一般口演で4月28日、400例のRA患者を対象とした3年間の無作為割付前向き介入試験の成果を報告、アレンドロネートリセドロネートによる新規椎体骨折抑制効果が、エチドロネートよりも高い傾向が見られ、活性型ビタミンD3製剤単独に比べて骨折発生を9割近く抑制する成績を明らかにした。

 世界保健機関WHO)は最近、大腿骨頚部骨折の独立した危険因子の1つとしてRAを掲げた。疾患としては唯一の危険因子だ。中山氏らはこれまでに、RA患者における骨粗鬆症の頻度などをビスフォスフォネートBP)製剤非使用の675例で横断的に検討し、骨粗鬆症を53.3%、椎体骨折を19.3%に認めている。65歳以上の女性に限ると、骨粗鬆症は7割以上、椎体骨折は3割以上と一層高率だった。また、有病率は一般人口の2〜3倍高く、ステロイド薬投与、RAの長期罹患、病期・機能障害の進行によりさらに高くなること、RA患者の骨密度は他の膠原病に比べても低いことなどを明らかにしている。

 今学会では、BPを中心とする治療薬の無作為割付前向き介入試験による3年間の追跡結果を報告した。対象は、骨密度低下が認められ、BP製剤やホルモン補充療法による治療歴のないRA患者400例(平均年齢61.8歳)。アレンドロネート1日5mg投与群(A群)、リセドロネート1日2.5mg投与群(R群)、エチドロネート1日400mg×2週間の間欠投与群(E4群)、エチドロネート1日200mg×2週間の間欠投与群(E2群)、BP非投与群(D群)の5群に無作為に割り付けた。5群とも、活性型ビタミンD3製剤とCa製剤を投与した。各群間で背景因子に有意差は認められない。ただし、R群では3年間観察できた症例が少なかった。

 3年後の腰椎骨密度の平均変化率は、A群+8.7%で、E4群、D群に比べて有意に大きかった。R群でも、治療効果ありと判断される+4%に近い、+3.8%の骨密度変化が認められた。D群では試験開始時よりも低下した。大腿骨頚部の骨密度の平均変化率は、A群で+3.7%と最も高かったが、ばらつきが大きく、他4群との間には有意差は見られなかった。さらに、大腿骨近位部全体の骨密度の平均変化率は、A群が+5.4%で、D群に比べて有意に大きかった。他の4群は試験開始時のレベルに留まった。第二中指骨の平均骨密度は、すべての群で試験開始時よりも低下した。

 骨代謝マーカーの変化を見ると、骨形成マーカーである血中BAPは、A群、R群では6ヶ月以降明らかに低下し、3年後ではA群がD群、E4群に比べて有意の低値を示した。骨吸収マーカー尿中NTXは、A群、R群で3ヶ月後から明らかな低下が認められ、3年後ではA群がD群、E4群に比べて有意に低かった。

 新規椎体骨折の発生率は、A群、R群で6カ月以降大幅に低下し、6カ月〜3年後ではA群1.8/100人・年、R群1.9/100人・年と、明らかな抑制効果が認められた。D群に対する相対危険率は、A群で−89%、R群で−88%、E4群およびE2群で−48%であった。

 こうした成績から、中山氏は「RA患者に対するBPの椎体骨折抑制効果は、既報のステロイド性骨粗鬆症に対する効果と同等またはそれ以上」と述べ、骨粗鬆症を伴うRA患者の骨折予防にBPが有効であることを示唆した。