東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター教授の山中寿氏

 関節リウマチRA)に対するインフリキシマブIFX)の臨床的有用性を示す新たなエビデンス・RECONFIRM studyの結果が、第51回日本リウマチ学会で4月26日に報告された。“Real world”の日本人患者を対象に、疾患活動性スコアDAS28)という客観的な指標を用いて有効性を評価した初のエビデンスである同試験の意義は大きい。同試験遂行の中心医師の一人である東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター教授の山中寿氏は、22週間のIFX治療により患者の3分の1が低活動性寛解に改善したという優れた成績を報告。「RA治療の目的は、進行を抑制する“care”から、治癒を目指す“cure”へとシフトしつつある」と述べた。

 RECONFIRM studyは、2005年12月までに東京女子医大と産業医大、埼玉医大の3施設にてIFX治療を受けたRA患者258例に対するレトロスペクティブな検討である。患者の性比(女性が89%)や平均年齢(53歳)、平均罹病期間(9.6年)ほか、主な背景因子は、欧米の主要な大規模試験ともほぼ同等であった。

 本試験は、無作為化比較試験(RCT)ではないが、慢性疾患であるRAのアウトカムは短期間の追跡では評価できないことや、RCTの選択基準は現実的とは言い難いことから、“Real world”の状況を知るためには、日常診療データのほうがむしろ適しているという。

 また、「日本人のエビデンス」という意味では市販後全例調査(PMS)のデータもあるが、その有効性評価は主治医による主観的な判定に基づくため、RECONFIRM studyでは、客観的な評価法であるDAS28が取り入れられた。

 DAS28により評価したベースライン時の疾患活動性は、90.3%の患者が高活動性(DAS28>5.1)であった。しかし、IFX投与22週目には38.8%が低活動性(同<3.2)、27.9%が寛解状態(同<2.6)にまで改善されていた。EULAR基準による治療応答性は、“Good response”が38.0%、“Moderate response”が46.5%であり、“No response”例は15.5%にすぎなかった。

 山中氏らは、東京女子医大で進行中のIORRA研究において、DAS28の高低は以後の機能障害の進行を鋭敏に反映することを見出している。さらに、高活動性の患者はもちろん、中等度の活動性(同3.2-5.1)であっても、生命予後は低活動性の患者に比べて著明に低下することも明らかになっている。したがって、「患者の3分の1を低活動性〜寛解に導くIFXの臨床的有用性はきわめて大きい」と同氏は述べた。

 しかし、1割程度の「IFX無効例」や、合併症、有害事象などにより同剤を使用できない患者は少なくない。また、薬剤費がボトルネックになることもある。RA治療のゴールが“care”から“cure”へと変わりつつある今こそ、こうしたIFXの「影」の部分へも目をそむけることなく、その救済を考えることが重要となろう。