東京女子医大附属膠原病リウマチ痛風センターの古谷武文氏

 関節リウマチRA)患者は骨粗鬆症を合併しやすく、実際に骨折を起こす患者も多い。東京女子医大附属膠原病リウマチ痛風センターの古谷武文氏らは、大規模前向きコホート研究の一環として、男性RA患者について検討、椎体骨折では年齢、ADLの指標であるJ-HAQ(Japanese Health Assessment Questionnaire)スコアとステロイド薬1日服用量が、非椎体骨折では年齢とJHAQスコアが有意な骨折危険因子であることを明らかにした。研究成果は、第51回日本リウマチ学会のプレナリー(優秀演題)セッションで発表された。

 男性より骨折率の高い女性の骨折危険因子に関しては、RA患者を対象とした研究結果が国内外で既に10篇ほど出されている。その一つである古谷氏らの報告では、JHAQ、年齢、骨折既往、RA手術歴、ステロイド薬服用、ビスフォスフォネート製剤非服用、ビタミンD製剤非服用が女性RA患者の骨折危険因子であった。一方、男性RA患者の骨折危険因子については、これまでほとんどエビデンスがない状態だった。

 古谷氏らは今回、女性で検討したときと同様、同センターが2000年10月から続けている大規模前向きコホートIORRA(Institute of Rheumatology, Rheumatoid Arthritis)のデータを解析した。対象は男性RA患者1050例。5年半の前向き観察研究を行った。観察期間中央値は約4年。評価した因子は、観察開始時における年齢、RA罹病期間、BMI、JHAQスコア、CRPリウマチ因子、ステロイド1日服用量。骨折は1050例中30例(2.9%)で確認され、女性における7.6%の2分の1以下だった。

 まず、年齢について検討したところ、椎体骨折は61〜70歳で最も多く、以下、71歳以上、60歳以下の順だったが、非椎体骨折は年齢が高いほど高率に認められた。JHAQスコアは、椎体骨折、非椎体骨折とも高スコア(障害の強い)群で骨折率が高かったが、特に非椎体骨折は、1.5を超える最も障害の強い群できわめて高率に認められた。ステロイド薬1日服用量については、椎体骨折は服用量が多いほど高率だったが、非椎体骨折では一定の傾向は見られなかった。

 評価した因子について多変量解析を行うと、椎体骨折では年齢、JHAQスコア、ステロイド薬1日服用量が有意な危険因子であり、相対危険度が3.47で最も高かったのはJHAQスコアだった。非椎体骨折では年齢とJHAQスコアだけが有意な危険因子であった。

 なお、今回の検討では、患者の自己報告をもとに、診療録などから骨折を確認しているため、無症状の椎体骨折が含まれていない。さらに、骨密度、服用例が少なかったビスフォスフォネート製剤やビタミンD製剤の使用、RA手術歴、骨折歴、喫煙飲酒といった因子を評価因子に含めていない。こうした点で限界があることは否めないとしていた。