ステロイド性糖尿病の早期発見の指標を探る近藤氏

 膠原病におけるステロイド性糖尿病の早期発見に、午後の高血糖が手がかりになることが報告された。午後高血糖に対しては、朝中心のステロイド投与を分割投与に変更するなどでコントロールが可能となる症例も示された。筑波大大学院の近藤裕也氏(写真)が4月28日、第51回日本リウマチ学会の一般口演で発表した。

 ステロイド性糖尿病の早期では、昼食後から夕食後に高血糖を呈することが少なくないにもかかわらず、HbA1c値が正常の場合があり、午前の外来では発見が困難とされてきた。近藤氏らは、ステロイド性糖尿病の早期発見の指標を探るため、外来患者の昼食後血糖測定を実施、併せて入院患者の毎食後の血糖測定も行った。

 耐糖能異常は食後血糖値140〜199mg/dL、糖尿病は食後血糖値≧200mg/dLを基準とした。

 検査対象は、外来患者9人、入院患者69人。外来の9人は、28〜78歳で、男性3人、女性6人だった。疾患は、全身性エリテマトーデス5例、関節リウマチ1例、皮膚筋炎1例、リウマチ性多発筋痛症1例、成人発症ステイル病1例だった。

 入院患者69例については、外来からステロイドを同量で継続していた14例と入院後にステロイドを新規に開始したか、あるいは増量した55例に分けて分析した。同量継続群は、39〜72歳で、男性3人、女性11人。疾患は、全身性エリテマトーデス3例、関節リウマチ7例、悪性関節リウマチ1例などだった。新規あるいは増量群は、16〜82歳で、男性11人、女性44人。疾患は、全身性エリテマトーデス19例、関節リウマチ11例、多発性筋炎4例、皮膚筋炎2例などだった。

 調査の結果、耐糖能異常は、外来で4例、入院で26例が見つかった。一方、糖尿病は、外来で2人、入院で39人だった。

 食後血糖値200mg/dL以上の症例のうち20例について、ステロイドの分割化を実施。さらに分割化でも効果が不十分か、あるいは分割化が困難だった症例には、アカルボースやナテグリニドを単独または併用で投与した。こうした介入により、20例中14例は、血糖値のピークに低下が認められた。

 コントロール不良だった6例については、インスリン抵抗性改善薬の併用、ナテグリニドのSU剤への変更、インスリン導入などの治療を行った。1例だけは経過観察中だが、5例は良好な経過をたどっているという。

 近藤氏は、「ステロイド性糖尿病の早期発見のためには午後の血糖測定が有用であり、コントロールの指標となる」などと結論付けた。ただしフロアからは、外来で午後の血糖測定を実施するのは難しいとの声もあり、臨床で取り組むには医療機関全体としての工夫が必要のようだ。