関節リウマチ患者の線維筋痛症の合併率は15.8%であることが分かった。また、合併群は非合併群より電撃痛、アロディニア、腫脹のない関節痛が多いことが明らかになったほか、QOL面では特に疲労、うつ、日常役割機能などが損なわれている傾向にあった。第51回日本リウマチ学会総会・学術集会の一般口演で4月26日、国立病院機構相模原病院の萩原太氏が発表した。

 萩原氏らは、関節リウマチ患者が線維筋痛症を合併する頻度を明らかにするため横断調査を実施。関節リウマチの455例を対象に、米国リウマチ学会(ACR)の線維筋痛症の基準を満たす症例の頻度を調べた。

 その結果、線維筋痛症の合併例は72例で、合併率は15.8%だった。非合併群との比較では、電撃痛(3.5%対43.1%)、アロディニア(1.5%対26.4%)の頻度が合併群で高く、神経因性疼痛の混在が多いことが分かった。また関節所見では、合併群は、疼痛関節数、腫脹関節数ともに有意に多く、「疼痛関節数−腫脹関節数」も有意に多かった。これは合併群が腫脹のない関節痛が多いことを示すものだ。

 QOLについては、合併群が非合併群より全般的に低く、特に精神的QOLの中で、疲労、うつ、日常役割機能:精神(RE)が損なわれている傾向があった。

 このほか、合併群では倦怠感、四肢のしびれ、下痢や便秘の各症状と関連しており、また人工関節置換術や他科での手術(整形外科系、消化器系)との関連も認められ、身体的ストレスの関与がうかがえたという。


* 注)線維筋痛症は原因不明の全身的慢性疼痛で、男性よりも女性に多く中高年に多い。このため自律神経失調症や更年期障害、不定愁訴など、他の病気と診断されることも少なくない。現在、人口の1.66%、約200万人の患者がいるとの疫学データがある。一般的な認知度は低く、医療関係者の中でも理解が十分であるとは言えない現実がある(関連記事)。