関節リウマチ(RA)に伴う骨粗鬆症および関節破壊は、骨代謝回転から逸脱して、破骨細胞の成熟のみが亢進することによって起こり、RAの重大な合併症とされる。産業医科大学の岡田洋右氏らは、RA患者の骨代謝を詳細に検討し、その病態生理に及ぼすインフリキシマブ療法の影響を報告した。本発表は、4月25日のシンポジウムで行われた。

 対象は、インフリキシマブ療法が施行されたRA患者85例。平均年齢53.6歳、罹病期間113.4カ月、ステロイド量は3.3mg/日、骨密度は腰椎で0.89g/cm、大腿骨頚部で0.67g/cm2であった。

 24カ月の追跡期間中、大腿骨頚部の骨密度は不変で、骨密度の低下は完全に抑制されていた。腰椎骨密度は1年後に0.92g/cm2、2年後には0.94g/cm2へと推移した。また、骨びらんの改善も認められた。一方、骨代謝回転マーカーである尿中NTx値(urinary type I collagen cross-linked N-telopeptides)は、投与前の76.4nmol/mmol・Crから2年後には42.3nmol/mmol・Crへと有意に低下し、血清オステオカルシン値は有意に上昇した。

 同氏は、諸家による基礎的・臨床的知見と本試験結果を総括した上で、「骨代謝回転から逸脱した破骨細胞による骨吸収亢進が、インフリキシマブによって骨代謝回転に復し、正常な骨形成に動因されることで骨びらんの改善に結びついた」と考察した。さらに同氏は、「NSAIDsは症状の改善に期待する薬剤、DMARDsは病態の改善に期待する薬剤、生物学的製剤は関節破壊の停止に期待する薬剤、これらが各々の役割を果たすことで真の寛解が得られる」というP. Emery氏の言葉を紹介し、DMARDsと生物学的製剤を併用することの重要性を強調して口演を終えた。