インフリキシマブは、関節リウマチの疾患制御に画期的な効果を示すことが多くの臨床医の経験から示されている。しかし、必ずしもすべての患者が良好な効果を示すわけではなく、一部の患者では得られる効果が小さい。そのため、治療効果予測因子の検索が、基礎的かつ臨床的に行われてきた。今回、産業医科大学の名和田雅夫氏らは、インフリキシマブ低反応例の投与前患者背景を解析し、予測因子となりうるものを抽出、4月26日のプレナリーセッションで報告した。

 対象は、インフリキシマブ療法が施行された172例(男性20例、女性152例)。平均年齢54.1歳、罹病期間115.5カ月、Stage分類では2が最も多く41.3%を占め、次いで3と4が各々20〜30%程度を占めていた。国内施設にしては、進行例の構成比が低かった。これらに対するインフリキシマブの投与継続率は、22週で96%、38週で87%、46週で75%、第62週では65%であった。患者背景は幅広く、層別解析を行うのに十分な例数であった。

 まず、インフリキシマブ導入前のStage別に解析したところ、22週における寛解率(DAS28<2.6)はStage1・2の群(84例)で42.6%、Stage3・4の群(88例)で21.2%であった。この差は試験後期にも変わることがなかった。

 次にインフリキシマブ導入前のMMP-3が400ng/mL未満群(74例)と400ng/mL以上群(26例)で解析すると、22週における活動性低下率(DAS28<3.2)は前者が約60%、後者が約20%、寛解率(DAS28<2.6)は前者が約30%、後者が約10%であった。

 インフリキシマブ導入前ステロイド使用量5mg/日以下群(26例)と5mg/日超群(18例)における54週の寛解率(DAS28<2.6)は、前者が37.5%、後者が9.1%であった。ちなみに、導入前ステロイド未使用例(n=48)の第54週における寛解率は45.5%であった。

 本検討はレトロスペクティブであり、今後はプロスペクティブな検討が必要であるとした上で、同氏は「導入前のStage 1・2、MMP-3低値、ステロイド5mg/日以下の患者は、インフリキシマブ療法に対しより高い反応が期待できる」と考察した。今後の検討で、予測因子の精度が高まれば、治療方針の決定に寄与するものと考えられる。