本邦におけるインフリキシマブの市販後全例調査の結果から、感染症発症の危険因子として高齢、糖尿病、呼吸器疾患の既往が指摘されている。産業医科大学の鈴木克典氏らは、当施設でインフリキシマブが投与された関節リウマチ患者175例について解析を行い、ステロイド投与が感染症発症の危険因子のひとつであることを示した。本演題は4月26日のワークショップで発表された。

 対象は男性20例、女性155例。平均年齢54.1歳、罹病期間115.5カ月、病期分類ではStage 1と2が全体の48.9%を占めていた。ステロイドは97例(55%)に投与されており、その平均投与量は2.83±3.13mg/日(プレドニゾロン換算)であった。

 インフリキシマブ投与下に認められた感染症は20例(11%)であり、このうち最も多かったのは細菌性肺炎6例で、その他は日和見感染症などであった。なお、本20例中18例ではステロイドが長期に併用されており、その平均投与量は4.9mg/日と高用量であった。また、感染症発症までのインフリキシマブ投与回数は、平均3.1回であった。

 患者背景から感染症の危険因子を統計学的に検索したところ、その相対危険度はステロイド投与が7.6と最も高かった。

 ちなみにステロイド投与以外の因子における相対危険度は、低アルブミン血症(アルブミン3.5g/dL未満)3.5、呼吸器疾患の既往2.6、糖尿病2.3、1000未満のリンパ球減少症(リンパ球数1,000未満)2.3、喫煙1.2、肝障害1.16、腎障害1.09、高血圧0.96であった。

 同氏は、ステロイド投与の相対危険度が極めて高かったことを受け、「高用量ステロイドを長期間にわたって漫然と投与し続けることは、インフリキシマブ投与下の感染症リスクを増大させるだろう。したがって、インフリキシマブ導入にて奏効の得られた患者では、ステロイドを漸減することが大切であり、それによって感染症発症リスクは低下するだろう」と語った。