関節リウマチにおける生物学的製剤の使用は免疫能を低下させるため、生物学的製剤投与中の手術では感染症が懸念される。そこで、函館厚生院函館五稜郭病院の北村公一氏らは、インフリキシマブ投与中の手術合併症を調査した。すると、その頻度はインフリキシマブ非投与例と変わらず、生物学的製剤と観血治療の併用は可能であることが示唆された。本演題は、4月26日のワークショップで発表された。

 本検討では、インフリキシマブ投与中の手術(使用群)と、対照群としてインフリキシマブ未使用例の手術(未使用群)において、手術合併症の頻度が対比された。使用群は26症例38手術、未使用群は112症例157手術。

 使用群における手術の時期は、インフリキシマブ維持投与期(投与間隔が8週)の手術が最も多く28例であった。これらの症例における手術までのインフリキシマブ投与回数は、4〜11回に分布していた。残りは、導入投与期(1〜3回)の手術が4手術、投与開始直前の手術が6手術であった。投与開始前の手術を除いて、手術前のインフリキシマブ最終投与から手術までの平均期間は33.3日であった。

 使用群における手術合併症は2手術(5.3%)に認められ、内容は足趾形成術での表層感染、TKA術での創治癒遅延であった。これに対して、未使用群の手術合併症は8手術(5.1%)であり、両群間の有意差は認められなかった。

 同氏は発表のまとめとして、「インフリキシマブ投与中でも観血療法の併用は可能と考えられた。しかし、手術の有無によらずインフリキシマブ投与患者での感染症の発症は、開始後3カ月が特に注意を要するとされており、緊急時以外はこの期間の手術を避けた方がよいだろう」と述べた。