関節リウマチ患者にインフルエンザワクチンを接種しても、疾患活動性を増悪することはなく、予防効果もあったことが確認された。福井総合病院リウマチ膠原病科医長の杉本和則氏らが「関節リウマチ患者におけるインフルエンザワクチンの有効性と安全性」と題したポスターセッションで発表した。杉本氏らは、国内でもワクチン接種を推奨するガイドラインが必要ではないかと提案した。

 「毎年インフルエンザの流行期が近づくと、患者から予防接種の必要性や安全性について尋ねられる」と杉本氏。そこで安全性と有効性を確認するため、2005年12月〜2006年2月に、関節リウマチ患者106人(うち女性が89人、平均66歳)に対し、0.5mL×1回の予防接種を行った。患者のうち6割はメトトレキサートを服用していた。

 その結果、ワクチン接種前後でDAS28には変化がなく、疾患活動性は変わらなかった。3人の患者でインフルエンザ流行期にインフルエンザ罹患による38度以上の発熱があったが、その他97%の人ではインフルエンザワクチンによる予防効果が推定された。インフルエンザワクチンの接種により、健常者に比べ抗体価の上がり方がやや弱いものの、関節リウマチ患者でも抗体価は上がることはわかっており(Annals of the Rheumatic Diseases, 2006;65:191-194)、「これが予防効果発揮の要因だろう」と杉本氏はいう。

 また英国リウマチ学会のガイドライン(National Guidelines for the Monitoring of Second Line Drugs)では、メトトレキサートなどの服用の際にもワクチン接種を推奨していることから、「日本においてもワクチン接種に対するガイドラインづくりが望まれる」と話した。