インフリキシマブは海外での様々な臨床試験において、関節リウマチ(RA)の症状改善ならびに関節破壊の抑制が確認されている。本邦では2003年にRAが保険適応となり、全例登録式の市販後調査によって5000例、6カ月間の使用成績は得られたものの、長期使用成績に関しては未だ報告が少ない。そこで長崎大学の岩永希氏が、長崎インフリキシマブ研究会(長崎大学第一内科とその関連の12施設)による54週間のデータをまとめ、4月25日のワークショップで報告した。

 対象はメトトレキサート(MTX)不応の78例(男性17例、女性61例)で、年齢56.1歳(値は平均値、以下同様)、罹病期間10.6年、使用DMARDs数は3.9剤、MTXとステロイドの内服量は各々6.8mg/週および7.5mg/日であった。Stage分類では4が73%、Class分類では2が77%を占めていた。インフリキシマブ投与前の疾患活動性は、圧痛関節数13.2、腫脹関節数7.9、mHAC1.4、CRP4.7mg/dL、赤沈60.6mm/hrであった。

 インフリキシマブは通常のスケジュールにより投与され、評価期間54週における治療継続率は81%であった(無効による脱落6例、不耐容による脱落9例)。

 ACRコアセットによる評価では、ACR20が71%、ACR50が60%、ACR70が37%と高い到達率が得られ、また第2週という早期から有意な改善が認められた。一方、54週でACR20に満たない症例は13例であり、うち5例は終始ACR20以下で推移した。

 さらに、罹病期間1年未満にインフリキシマブを導入した早期導入群(4例)と1年以上の群に層別して比較したところ、早期導入群のステロイド内服量は13.0mg/日であり、活動性の高さゆえにインフリキシマブの導入が早期に行われていたことが示唆された。また、早期導入群では54週時にACR20が100%、ACR50が100%、ACR70が75%となり、1年以上の群(各々70%、62%、35%)に比べ高い到達率が示された。このほか早期導入群では、全例でステロイドの減量に成功(平均6.0mg/日減)したことや、MRI所見で骨修復効果が認められた症例を経験したなどの知見も報告された。

 有害事象は、4回目の投与までに集中して認められ、その内容は肺炎6例、帯状疱疹3例、頭痛2例、肝機能異常2例などであった。

 同氏は、「インフリキシマブの効果発現は速やかで、かつ長期に持続する。また、発症後早期にインフリキシマブを導入すれば、さらに優れた効果が期待される」と強調し、口演のまとめとした。