インフリキシマブ療法中に認められる関節炎の再燃に対して、その因子分析や対応が諸家によって検討されている。東京女子医科大学東医療センターの神戸克明氏らは、関節炎の再燃がみられた症例に関節鏡視下滑膜切除術(以下、滑膜切除術)を施行し、その後の良好な経過を認めたという。インフリキシマブの関節炎症状に対する効果が減弱したように見える理由の一部には、滑膜組織の血管増生が関係するのではないかとの考察を交え、4月25日のワークショップで発表した。

 滑膜切除術の適応はCRP3.0mg/dL以上で少数関節の腫脹・疼痛がとれず、日常生活困難な7症例。平均年齢62歳、Stage2が比較的多く、class分類は2および3、術前CRPは平均3.45mg/dL、インフリキシマブの術前投与回数は4〜6回であった。施術部位は膝・肩・足首・手首・肘などの11関節であった。

 これらの症例では関節内視鏡像にて、滑膜組織の血管増生が多く認められた。その原因として、同氏は「インフリキシマブ療法はすみやかにCRPを低下させ、また関節腫脹を改善するが、少数の血管炎が残存すると滑膜組織には血管増生が生じる。これが、後にインフリキシマブの臨床効果に影響を与えるのではないか」と考察した。

 一方、術後のCRPおよびDAS28は6週より低下し、その後50週まで有意な改善を認めた。この結果から、「関節鏡視下滑膜切除術とインフリキシマブの併用は、少なくとも術後50週まで有効かつ安全であり、今後も症例を重ね更に検討したい」と述べて口演を締めくくった。