イグラチモド(T614)はメトトレキサートなど他の抗リウマチ薬に無効な症例への適応だけでなく、初期治療の選択肢の一つになりえる薬剤である−。東京女子医大附属膠原病リウマチ痛風センターの原まさ子氏が、シンポジウム「新規治療薬の適正使用ガイドライン」の中で、「臨床治験でみられたイグラチモド(T614)の特徴」と題して発表した。ただし、副作用として肝機能障害を発症する頻度は2割あり、ASTあるいはALTが100IUをこえた場合は投与を中止するか、投与量を減らす必要があると語った。

 イグラチモドは日本で開発されたDMARDsで、治験が終了し、現在保険収載を申請中の薬。第3相臨床試験において、28週の投与でプラセボあるいはサラゾスルファピリジン(SASP)に比べ、ACR20およびACR50の改善率は有意に高かった。またMTXを含め、他のDMARDsで効かなかった症例でも、サラゾスルファピリジンより、やや高い効果が認められ、骨破壊も抑えられることが確認された。

 しかしイグラチモドの投与中には肝機能障害が生じる率が高い。後期第2相臨床試験において、50mg/日の投与では肝機能障害は34%に生じた。そのため、最初の4週間は25mg/日投与、その後50mg/日に増やす漸増法試験を行ったところ、効果は50mg/日と同程度でありながら、肝機能障害は23%に減少、ASTあるいはALTが100IU以上である患者の割合も17%から5%へと減少した。

 これらの結果から、イグラチモドは初期治療にも、他のDMARDsが無効あるいは副作用で投与ができなくなった患者にも適していると話した。ただし、肝機能障害の既往はもちろん、間質性肺炎の既往患者にも投与を控えたほうがいいという。

 肝機能障害に対し、具体的には、ASTあるいはALTが100IUを超えた場合は投与を中止、あるいは25mg/日に減らすことも副作用を回避する手段であり、100 IU未満であれば、投与中に改善するケースも少なくないので、継続してかまわないという。