甲南病院の塩沢和子氏らは、インフリキシマブが投与された関節リウマチの100例をつぶさに解析し、その中から関節破壊の経過が追える症例を抽出して、インフリキシマブの効果を検討した。その結果、評価対象の約半数では関節破壊が進行していないか、もしくは軽度改善傾向にあった。本演題は4月25日のワークショップで発表された。

 評価対象は、2003年から2006年までにインフリキシマブが投与された100例中、時系列のX線所見を有する40例である。母集団の発症年齢は平均46歳、インフリキシマブ投与までの罹病期間は平均12年、Class分類では2が、Stage分類では3と4が多かった。また、RF陽性率は91%と高かった。

 インフリキシマブ投与開始1年後のX線スコア(シャープ変法)は40例中11例が不変、7例が改善傾向にあり、1年後の時点では約半数の症例で関節破壊の進行抑制が得られていた。

 さらに2年後も評価が継続された12例では、大半の症例でX線スコアの上昇が認められた。しかし、同一症例におけるメトトレキサート(以下MTX)単独による2年の前治療期間と比べると、インフリキシマブ投与後は関節破壊の進行が鈍化する傾向にあった。

 以上のことから、インフリキシマブは関節破壊の進行抑制に寄与しうることが示唆された。インフリキシマブの関節破壊に対する効果は、欧米で行われた大規模臨床試験で証明されているが、MTX投与量など背景因子の異なる本邦においても同様の効果が期待できると考えられた。