インフリキシマブは、従来の抗リウマチ薬に比して有効性に優れ、寛解に至るほどの著効例を経験することも少なくない。では、著効後にインフリキシマブを中断し、既存治療であるDMARDsのみで著効維持が可能だろうか。宇多津浜クリニックの猪尾昌之氏らはこの点について検討し、同施設で得られたデータを踏まえて、インフリキシマブ中断に対する考え方を25日のワークショップで詳しく述べた。

 対象となったインフリキシマブ著効例は、男性5例、女性7例の合計12例。平均年齢は50.6歳、罹病期間は平均61.9カ月、Stage分類は2が大半を占めていた。著効の基準としては(1)内服中のステロイド減量あるいは中止可能、(2)DAS28-CRP(4)値が2.5未満かつEULAR改善基準Good Response、(3)MMP-3が100ng/mL未満のすべてを満たすものとされた。

 検討対象には、患者本人の同意を得た上でインフリキシマブを中止し、DMARDsを中心とする既存治療のみで経過が観察された。なお、これらの症例におけるインフリキシマブ投与前のDAS28-CRP(4)値は平均3.9、インフリキシマブを中断した際の同値は平均1.4であった。

 インフリキシマブ中断後、約4カ月は12例すべてで著効状態が継続された。その後、経過観察を続けるに伴い、DMARDsのみでは症状のコントロールが困難な症例を認めた。結果として、中断10カ月後の時点においても4例(33%)ではDMARDsのみで著効が維持できており、その他の症例ではインフリキシマブ再開を含む治療薬の増量が必要であった。

 同氏は、会場からの「インフリキシマブ再開によって、元の効果は得られたのか?」との質問に「得られている」と答えた上で、「長期投与による経済的自己負担などを考えた場合、著効した症例は一時中断し、増悪した場合に再開するといった方向性も考えられる。または、インフリキシマブを完全に中断するのでなく投与間隔を8週以上に延長する方法もあるかもしれない。ただ、それらの方法で長期の有効性や骨破壊の抑制効果が未知数であるため、今後の慎重な検討が求められる」と語った。