京都下鴨病院の山下文治氏らは、インフリキシマブが1年以上投与継続され、X線学的評価が可能であった28例を解析し、「ACRDASで改善の認められた例では、関節破壊の進行が有意に軽度であり、さらにX線上での改善所見も認められた」として、4月25日のワークショップで発表を行った。手指の小関節のみならず、股関節や膝関節といった荷重関節における破壊改善例の提示に会場からの注目が集まった。

 対象の平均年齢は55歳(男性8例、女性20例)。Stage分類では3〜4が大半を占め、Class分類では2と3がすべてであった。ステロイドは28例中22例に投与されており、また28例中23例には人工関節置換術などの手術が行われていた。

 インフリキシマブの投与回数および期間は、平均で14.3回、675日であった。臨床効果としては、ACR到達率20%以下が9例、21〜40%が4例、41〜60%が5例、70%以上が10例、またDAS28では、投与前平均5.9であったものが投与後3.7へと改善し、good response13例、moderate response11例であった。

 28症例267関節(肩・肘・手および股・膝・足)を評価)のLarsenスコアの変化をみたところ、投与前平均1.74であったものが投与後には平均1.92を示し、全体としてわずかな進行をみたのみであった。また、症例個々にみたところ、小関節・大関節を問わず、X線的に関節裂隙の拡大、破壊された軟骨下骨の修復、辺縁糜爛の消失・縮小、骨嚢腫の消失・縮小などが認められた。こうした改善は28例中13例に認められ、ACRやDASの変化と相関していた。

 同氏は、「ACRやDASが改善した例では関節破壊の進行が遅く、破壊の改善さえ認める場合がある。しかしその一方で破壊が進行する関節もあるので、観察とリハビリテーションは欠かせない」と補足し、口演を締めくくった。