ヒト化抗インターロイキン6(IL6)受容体抗体トシリズマブが、難治性の成人スティル病に有効である可能性が明らかになった。4月26日のワークショップ「その他の膠原病(1)」で有効性を示した症例の報告が大阪大学大学院生命機能研究科免疫制御学教授の西本憲弘氏らのグループによって行われた。トシリズマブは、日本ではキャッスルマン病の治療薬として承認されており、全身性若年性特発性関節炎関節リウマチに有効であることが報告されている。

 成人スティル病は、発熱、皮疹、関節炎、リンパ節腫脹、肝障害などを起こす全身性の炎症性疾患。若年性関節リウマチの中で、発熱、皮疹などの全身症状を有する病型をスティル病と呼んでおり、病態が似ていて成人に発症することから成人スティル病と呼ばれている。年間で1300人程度の患者がいると推測されている。

 報告された症例は36歳男性で1988年に発症、1990年に成人スティル病と診断された患者。種々の抗リウマチ薬免疫抑制剤でも効果がなく、両股、両膝の人工関節置換術を受けた患者だ。プレドニゾロン20mg/日、メトトレキサート8mg/日、シクロスポリン125mg/日を併用投与したが、効果が不十分であったため、2001年7月からトシリズマブの投与を開始した。最初は4mg/kgから投与を開始し、血中濃度を測定しながら投与を行った。その結果、すみやかな全身症状の改善に加え、治療前に観察されていた白血球増多(17080/mm<sup>3</sup>)、CRP高値(5.8mg/dL)も1週間後には正常化したという。

 現在、8mg/kgを3週ごとに投与しているが効果の減弱はなく、免疫抑制剤は不要となりプレドニゾロン20mg/日まで減量できた。しかも経過中に1年半以上の休薬ができた。なお、西本氏によると今回発表した例も含めて現在までに国内で4例、成人スティル病にトシリズマブを投与したケースがあるという。