名古屋市立東市民病院の吉田行雄氏によれば、インフリキシマブが投与された関節リウマチ(RA)自験例のうち寛解に至った1例で、興味深い知見が得られたという。「本例は発症後6カ月という“Window of opportunity(治療の機会)”の時期にインフリキシマブを開始したことが大きな成果をもたらした」として、4月24日のポスターセッションに発表した。

 同院にて、インフリキシマブ投与下に8カ月以上の経過観察がなされたRA患者は、合計25例。その患者背景は、男女比1:2、平均年齢63.5歳、罹病期間平均11.2年、Stage 4が大半を占めており手術施行率は7割以上、メトトレキサート平均使用量は6.6mg/週、CRPは平均約5mg/dLであった。なお、インフリキシマブ投与期間は、発表時に平均20.6カ月間であった。

 インフリキシマブの投与継続率は76%であり、現在も継続投与されている19例中8例(42%)では、著明改善(CRPが0.4mg/dL以下)を認めている。著明改善が得られた群と、そうでない群で患者背景には差異を認めず、効果予測因子の検索はなされていない。

 これらの症例のうち1例では、臨床的寛解が得られた。同症例は67歳男性。2003年5月より両手指、両膝、両母趾の腫張、圧痛出現にてRAと診断され、同 8月よりメトトレキサートによる治療を開始、増量するもコントロール不良なため、同11月よリインフリキシマブ投与が開始された。1回日の投与で自覚症状の改善を認め、投与前CRP値4.6から投与2回目以降はこれが陰性化した。以後、症状も安定しCRP陰性化が16カ月間続いたため、寛解と判断され、2005年3月にインフリキシマブを中止した。中止から1年以上経過した現在でも寛解は維持されており、X線学的にも骨破壊は抑制されているという。

 インフリキシマブを用いた早期からの積極的なRA治療開始の意義を再認識させられる症例提示であった。