全身性エリテマトーデスSLE)に併発する場合が多いステロイド性大腿骨骨頭壊死症(IONF)が抗凝固薬であるワーファリン抗高脂血症薬であるスタチンを投与することで予防できる可能性が示された。佐賀大学、九州医療センターと九州大学の共同研究の成果で、4月25日のワークショップ「全身性エリテマトーデスの臨床(3)」で佐賀大学膠原病リウマチ内科の長澤浩平氏(写真)が発表した。

 IONFの発症要因にはいろいろなものが挙げられているが、その中に血液凝固能の亢進と脂質代謝の急激な変化があり、長澤氏らの研究はそれらの症状の改善を狙ったものだ。長澤氏は「症例数が少ないため確実なことはまだ言えないが有望な治療法だと思う」と語った。

 研究グループは初発のSLE患者(PSL40mg/日を必要とする患者)を対象にステロイド治療開始と同時にワーファリン(投与量はPT-INRで1.5から2.0に入るように調整)と通常の高脂血症で使われる用量のスタチン(シンバスタチン10mg/日またはアトルバスタチン10mg/日)の投与を始め、少なくとも3カ月継続した。IONFの診断は核磁気共鳴映像法(MRI)で異常が認められた場合に発生とし、単純X線での異常、または持続性の股関節痛が加わった場合に発症とした。治療後3カ月目とその後1年ごとに画像診断を行った。

 その結果、ワーファリンとスタチンの投与を同時に受けたステロイド開始後1年以上をたった患者17例でIONFが発生したのは3例(18%)、発症したのはわずかに1例(5.9%)だった。従来のIONF発生調査では何も処置をしない対照群での発生率は34%(発症率は14%)、ワーファリンのみ投与した群では23%(発症率は6.5%)であったことから、両剤を併用投与することでIONFを予防できる可能性が示されたとしている。