補体成分C5aを標的にした三菱ウェルファーマの新規関節リウマチ治療薬候補化合物「W-54011」が、カニクイザルモデルを用いた実験で有望な結果を得た。W-54011はメカニズムの新しい経口リウマチ薬になる可能性がある化合物で、現在、前臨床試験の段階。同社創薬本部研究部門創薬第三研究所長の千葉健治氏が、4月25日のシンポジウム「機能分子を標的にしたリウマチ性疾患の治療」で発表した。

 近年、抗C5a抗体を用いた解析から、関節リウマチ患者の血漿や滑液中にC5aが多く産生され、その産生量と病状が相関することが明らかになっていた。さらに、2型コラーゲンで関節炎を用いたマウスに抗C5抗体を発症前に投与することで、発症が抑制され、発症後に投与しても関節炎の進展が抑制されるなどから、C5a/C5a受容体の経路を阻害することが、新たなリウマチ治療薬の開発につながると期待されていた。

 三菱ウェルファーマの研究グループは、ヒトC5a受容体に対して強い拮抗作用があり特異性も高く経口投与ができる非ペプチド性の低分子化合物であるW-54011の同定に成功していた。W-54011は、ペプチド系アンタゴニストや抗C5a抗体と比べて、ヒト好中球を組み換えヒトC5aで活性化した際の細胞内カルシウムイオン上昇や活性酸素の産生、細胞の遊走を強く抑えることができた。

 さらに、2型コラーゲンで関節炎を誘導したカニクイザル6頭に体重1kgあたり30mgを15日間経口投与すると、投与開始の2日後から関節腫脹が抑制され、関節破壊も防ぐことができた。体重の増加も確認できた。