HLA-DRB1遺伝子の共有エピトープ(SE)があり、抗CCP抗体が陽性の早期関節リウマチ患者は、関節破壊の進行が急速である可能性の高いことが明らかになった。東京女子医大附属膠原病リウマチ痛風センター講師の古谷武文氏らが「早期RA患者における骨破壊の進行とHLA-DRB1遺伝子型および抗CCP抗体との関連」と題して発表した。

 抗CCP抗体は関節リウマチの疾患マーカーとして使われている。研究グループが発症後1年以内の早期関節リウマチ患者110人(うち女性が8割)を対象に調べたところ、抗CCP抗体が陽性だった患者は90人(82%)。患者の平均年齢は51歳、病期は平均5.4カ月だった。

 次にHLA-DRB1遺伝子型のひとつであるHLA-DRB1*0405の保有率を調べると、抗CCP抗体陽性の患者では47%と、対照群(健常者265人)に比べ有意に多く(p=0.00008)、HLA-DRB1の遺伝子型(DRB1*0101, 0401, 0404, 0405, 0410, 1001)からの共有エピトープ(SE)も68%と有意に多かった(p=0.0000008)。逆に、HLA-DRB1*0901については、抗CCP抗体陰性の患者の半数が保有し、抗CCP抗体陽性患者や対照群より有意に多い(p=0.016、p=0.050)ことがわかった。

 患者61人について、X線で2年間の骨破壊の進行度(Larsenスコア)を調べた結果、共有エピトープがあり抗CCP抗体が陽性だった患者の進行度は高く、共有エピトープなし・抗CCP抗体陰性の患者に比べ、有意にスコアが高かった(P=0.011)。このことから、抗CCP抗体が陽性、共有エピトープ(SE)がある早期関節リウマチ患者は、関節破壊の進行が早い傾向のあることが明らかになった。

 今回の研究で、抗CCP抗体とHLA-DRB1遺伝子型の関連性が示されたことから、「抗CCP抗体の陽性、陰性では、遺伝的背景が異なると考えられる」と古谷氏は話す。そして、「これまでにも関節リウマチ患者における共有エピトープとの関連性を調べた研究があるが、これは抗CCP抗体陽性を見ていた可能性もあるのではないか」と語った。

 また、HLA-DRB1*0901については国内でも顕微鏡的多発血管炎やSLEのAPS、重症筋無力症などとの関連が報告されており、「これらの疾患と抗CCP抗体陰性の関節リウマチには、遺伝的に共通点があるのではないか」とも述べていた。