ガルファーマの積正子氏、熊本大学医学薬学研究部講師の坂田研明氏、香川大学医学部免疫病理学教授の平島光臣氏(写真)らの研究グループは、動物レクチンの一種であるガレクチン9を安定化したたんぱく質が、関節炎モデル動物の症状を軽減させることを見出した。

 現在、関節リウマチで画期的な治療薬として使われている抗腫瘍壊死因子(TNF)α抗体製剤、可溶性TNFα受容体製剤は、滑膜炎症の中心的なサイトカインであるTNFαを阻害して炎症反応を抑制する。安定化ガレクチン9は、in vitroの実験で滑膜細胞にアポトーシスを誘導できることが確認されている。安定化ガレクチン9によって、異常増殖した滑膜細胞を患者の体内で排除できれば、関節リウマチの根治的治療薬になる可能性がある。成果は4月24日のワークショップ「動物モデルでの関節炎の解析(3)」で発表された。

 ガレクチンは、βガラクトシドを認識する動物レクチンの総称。このうち、ガレクチン9は、好酸球遊走活性や癌細胞にアポトーシスを引き起こすなどの活性をもつことが明らかになっている。安定化ガレクチン9は、たんぱく質分解酵素に対する耐性がガレクチン9の100倍以上高く、しかもアポトーシス誘導活性が2倍以上になった誘導体だ。

 研究グループは2型コラーゲン誘導関節炎(CIA)を起こしたラットとマウスに、ブースターとともに安定化ガレクチン9を投与し、関節炎に対する効果を調べた。

 その結果、CIAを起こす前のラットに1頭あたり100μg、250μgの安定化ガレクチン9を静脈内投与すると、濃度依存的に関節腫脹を抑制し、高濃度ではほぼ完全に抑制することを見いだした。

 また、既にCIAを発症したラットに対しても、濃度依存的に関節腫脹を抑制し、X線解析で骨破壊が抑制されることを確認した。CIAを起こしたマウス、ヒト滑膜移植マウスでは、安定化ガレクチン9投与によって、関節炎局所で滑膜細胞などのアポトーシスが誘導できることも分かった。

 研究グループは、安定化ガレクチン9の投与によって関節炎局所で炎症性サイトカイン、Th1型サイトカインの産生が抑制できることも確認している。