関節リウマチによる睡眠障害が抑うつ状態だけでなく、関節リウマチの活動性にも影響を与えている可能性が指摘された。大阪市の行岡病院理事長の行岡正雄氏らの研究によって明らかになったもので、成果は4月24日のワークショップ「リウマチ性疾患のQOL・リハビリテーション・医療体制・病診連携」で発表された。

 研究グループは、関節リウマチ患者207例(男32例、女175例、平均年齢58.3歳)について、夜間の中途覚醒の有無と抑うつ(ZungのSDS)、血沈、CRP、MHAQ(患者による運動機能の評価)の関係を調査した。血沈、CRPは調査1カ月以内(平均11日)のものを用いた。

 その結果、夜間の中途覚醒がある患者ではSDSが39.5±8.3と、中途覚醒がない患者の34.4±8.4と比べて有意に高くなり、抑うつ状態が進んでいることが明らかとなった。また炎症の指標となる血沈も夜間の中途覚醒がある患者は57.1±35.4となり、中途覚醒がない患者の47.5±30.2と比べて高い傾向にあった。さらにCRPは中途覚醒のある群が2.71±3.05、ない群が1.69±2.02、MHAQも中途覚醒のある群が6.8±6.8、ない群が3.6±4.5となり、有意に中途覚醒のある群が高く、関節リウマチが活動的になっている可能性が明らかとなった。さらに中途覚醒の回数が増えるにしたがって、血沈、SDS、CRP、MHAQが高くなる傾向があったという。

 行岡氏は、抗TNF抗体を投与した晩には、痛みが引かないものの睡眠状態が改善したとの論文を引き合いに出し、「中途覚醒を引き起こす多くの因子が複合して関節リウマチの活動性を上昇させている可能性がある。中途覚醒の改善は関節リウマチの治療効果を高める可能性が高い」と語った。また「うつなど中途覚醒を引き起こしている原因をよく見極めて対処することが大切」としていた。