従来のQOL評価法では関節リウマチ患者にかかるストレスは把握しきれないことがわかった。国立病院機構相模原病院臨床研究センターリウマチ性疾患研究部の萩原太氏らが、「関節リウマチにおけるストレッサーの調査とQOLへの影響の検討」と題して発表した。また、患者の訴えが多かった項目の中で、疲労感や夜間中途覚醒、食欲不振が、特に患者のQOL低下につながる因子であることも明らかになり、「疼痛以外の症状の対策が必要」とした。

 研究グループは、関節リウマチ患者112人(うち女性105人)に対し、2003年7〜8月と2005年1〜3月に、「ストレスに感じるものは何ですか」と尋ねるアンケート用紙を配布した。自由回答、複数回答、無記名法で得られた回答を3人の医師がKJ法でカテゴリー化し、QOLの評価方法であるSF-36AIMS2、およびmHAQ(Health Assessment Questionnaire:日常生活動作)の質問項目と比較した。

 その結果、挙げられたストレッサー項目は899あり、このうち、上記3種の質問票にない項目が43.3%にのぼった。回答者のうち、疲労感を挙げた人が3分の1を占め、「眠れない・寝付けない」といった入眠困難や中途覚醒、食欲不振、皮膚の痒みを訴えた人がそれぞれ約2割だった。

 続いて、外来通院の関節リウマチ患者439人(うち女性387人)に対し、2006年1〜3月に独自のストレス調査アンケートを配布。先のアンケート結果から出された項目のうち、訴えの多かった腰痛、疲れ・だるさ、手足がむくむ・だるくなる、入眠困難など14項目と疾患活動性スコアDAS28を独立変数とし、SF-36の身体的側面と精神的側面を従属変数として重回帰分析を行った。

 その結果、身体的側面ではDAS28が最もQOL低下に影響し、食欲不振、腰痛、手足のだるさも有意な因子として抽出された。精神的側面では疲労感が最も大きく、食欲不振、夜間中途覚醒、さらに寝たきりになる不安や友人・周囲の人のRAへの理解など心理社会的不安も有意な因子だった。このことから、疾患活動性が高いと身体的QOLだけが低下するが、食欲不振は身体的、精神的QOLの両方を低下させることがわかった。