薬剤溶出性ステント(DES)を用いた経皮的冠動脈インターベーション(PCI)後のステント内再狭窄に、尿酸値が独立して関連していることが示された。鹿児島大学心臓血管内科の神田大輔氏らが、9月23〜25日に開催されていた第59回日本心臓病学会(JCC2011)で発表した。

 酸化ストレスは動脈硬化を促進する因子として考えられている。マロンジアルデヒド修飾LDL(MDA-LDL)は酸化ストレスの一種で、最近、ステント内再狭窄を起こした患者において有意に増加していたことが示されている。また、尿酸は、抗酸化作用を有することがさまざまな研究で報告されている。しかし、DES留置後の再狭窄予防における役割は明らかになっていない。今回神田氏らは、PCI施行時の血清尿酸値と9カ月後におけるステント内再狭窄の関係を検討した。

 対象は、狭心症に対してDESを用いて待機的PCIを施行した連続232例(シロリムス溶出性ステント204例、パクリタキセル溶出性ステント28例)。入院後に尿酸を含めた血液生化学検査を行い、その後、冠動脈造影(CAG)とPCIを行った。患者背景については、年齢は69歳、男性が169例で、高血圧が78%、糖尿病が47%、脂質異常症が71%、喫煙者が53%だった。

 9カ月後のフォローアップCAGの際に再狭窄の有無を確認したところ、ステント内再狭窄を27例(11.6%)で認めた。なお、50%超の再狭窄がCAGで認められた場合を、ステント内再狭窄と判定した。

 再狭窄群と非再狭窄群で患者背景を比較すると、年齢、男女比、HDLコレステロール、LDLコレステロール、クレアチニンなどでは両群間に差は認められなかった。空腹時血糖値は、再狭窄群が131mg/dLであったのに対し、非再狭窄群が113mg/dLと、再狭窄群で有意に高値だった(p=0.006)。HbAlc値は、再狭窄群が6.7%に対し、非再狭窄群が5.9%と、再狭窄群で有意に高かった(p<0.001)。一方、尿酸値は、再狭窄群が5.2mg/dL、非再狭窄群が6.0mg/dLと、非再狭窄群で有意に高値だった(p=0.006)。さらに多変量ロジスティック解析を行ったところ、ステント再狭窄の独立した因子として、尿酸だけが同定された(オッズ比0.05、p=0.020)。

 酸化ストレスマーカーとしてMDA-LDLを再狭窄群と非再狭窄群で比較したところ、有意な差はなかった。そこで、MDA-LDLの平均値であった131U/Lをカットオフ値として、MDA-LDLが高値のグループと低値のグループに分けて検討したところ、高値グループで非再狭窄群においては、尿酸とMDA-LDLの間に正の相関が認められた(r=0.25、p=0.02)。

 これらの結果から神田氏は、「尿酸は、DESを用いたPCI後のステント内再狭窄に独立して関連していると考えられる」と結論した。また、「尿酸はフリーラジカルを浄化するという抗酸化作用を持つことが報告されており、尿酸が高いほどその作用が強くなることが示されている。今回、非再狭窄群においてMDA-LDL高値のグループで、MDA-LDLと尿酸との間に正の相関があったことは、こうしたメカニズムを支持するもの」との見解を示した。

(日経メディカル別冊編集)