乳癌の術前療法としてアロマターゼ阻害剤の1つであるエキセメスタンを投与した83人の結果、腫瘍が縮小し乳房温存術の対象になる割合が向上したことが発表された。成果は9月26日から27日に大阪市で行われた日本乳癌学会で埼玉県立癌センター乳腺外科の二宮淳氏によって発表された。

 エキセメスタンの術前ホルモン療法の投与期間中央値は133日(34-503)で年齢中央値は63歳(48-82)。ステージ1が7人、2Aが49人、2Bが17人、3Aが4人、3Bが5人、3Cが1人で、全例エストロゲン受容体陽性患者だった。

 投与の結果、臨床腫瘍評価では、完全奏効は0人、部分奏効が52人(62.7%)で、奏効率は62.7%だった。一方、病理学的効果はグレード3が0人、グレード2が5人(6.0%)、グレード1bが24人(28.9%)で、病理学的抗腫瘍効果は34.9%だった。臨床的効果を予測する因子としては、プロゲステロン受容体とHERの組み合わせが有意だったが、病理学的効果を予測する因子は特定されなかった。

 腫瘍の大きさ4.0cmを基準にして温存可能と判断するとエキセメスタン治療前の温存可能率は67.1%だったのが、治療後は91.5%となった。3cmを基準にするとエキセメスタン治療前の温存可能率は27.7%だったのが、治療後は68.7%となった。

 研究グループは術後の経過を追跡しており(観察期間中央値34.3カ月)、リンパ節転移と組織学的腫瘍径(ホルモン療法後)が統計的に有意な予後因子で、プロゲステロン受容体も転帰を反映する傾向が見られることを見出している。