カペシタビンに見られる副作用の1つである手足症候群(HFS)の発生頻度が、ビタミンB6の化合物の1つであるピリドキシンを予防投与することで低下させられる可能性が明らかとなった。成果9月26日から27日に大阪市で開催された日本乳癌学会で、愛知県がんセンター中央病院の吉本信保氏によって発表された。

 研究グループは2006年11月から2007年10月までにピリドキシンの予防投与(60mg/日)とともにカペシタビンの内服を始めた進行・再発乳癌患者38人を対象に前向き試験を行った。2003年10月から2005年10月までにピリドキシンの予防投与なしでカペシタビン投与を受けた40人の患者を対照群とした。38人の患者のうち、カペシタビン2400mgを3週間連日投与し、1週間休薬する方法で投薬されたのが27人、カペシタビン1800mgを3週間連日投与し、1週間休薬する方法で投薬されたのが1人、カペシタビン2400mgとシクロフォスファミド100mgを2週間連日投与し1週間休薬する方法で投与されたのが10人だった。投与サイクル数の中央値は5.0(1-13)だった。

 カペシタビンの臨床効果は、完全奏効が2人(6.5%)、部分奏効(PR)が11人(35.5%)で奏効率は42.0%だった。

 HFSを発症したのはピリドキシン投与群で20人(52.6%)に対し、ピリドキシン非投与群は33人(82.5%)で統計的に有意に発症頻度を抑えることができた。グレード3のHFSを起こしたのはピリドキシン投与群で7.9%、非投与群で10.3%、グレード2のHFSを起こしたのはピリドキシン投与群で18.4%、非投与群で13.8%とグレードを軽減させる効果は見られなかった。

 ピリドキシンを投与した38人の患者のうち、HFSの発症は61歳以上に多い傾向が認められた。また、HFSを発症した方が効果が高い傾向も見られた。

 ピリドキシン投与した患者に、違和感を感じた場合に尿素軟膏を使用することを勧めたところ、HFSのグレードを低下させる傾向があった。