マンモグラフィ乳腺密度が高い閉経後女性は乳癌発症リスクが高く、より積極的な検診対象になりそうだ。日本の乳癌検診の効率化を目指した検討から明らかになったもので、9月26〜27日に大阪市で開催された第16回日本乳癌学会学術総会のプレジデンシャルシンポジウムにおいて、大阪大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科の玉木康博氏が報告した。

 日本の乳癌罹患率は英国や米国の約1/3である。日本で効率的に検診を進めるためには欧米と同様の検診プログラムではなく、乳癌罹患リスクの高い女性を重点的にスクリーニングすること、すなわち個別化が必要である。

 玉木氏らは、肥満やエストロゲン濃度、アディポネクチンなど、個々の女性の乳癌罹患リスクに注目し、さらにマンモグラフィにおける乳腺密度に着目したケース・コントロールスタディを実施した。

 対象は、同大で手術を受けた乳癌患者205人。コントロールは大阪市の健診センターを2回以上受検した健常女性223人。

 乳腺密度は担当医や撮影条件により所見にばらつきが生じる可能性がある。乳腺密度を客観的に評価するため、マンモグラフィをスキャナーでデジタル化し、乳腺と大胸筋の境界線を設定し、乳房に対する乳腺部分の面積比を計測した。

 コントロールを乳腺密度で5群に分けたところ、最も乳腺密度が高い群は他の群に比べて乳癌発症リスクが2.96倍高かった。

 疫学因子別に乳腺密度とリスクをみると、乳腺密度が高い群であり、閉経後経過年数が5年未満、BMIが23を超える場合、出産歴がある場合が乳癌発症のリスク因子となった。

 また血清DNAのメチル化解析(感度77%、特異度52%)について乳癌の45〜59歳の138人で検討すると、メチル化陽性例は陰性例に比べてリスクが3.5倍であった。

 乳癌の発症リスクとして、これまでの年齢、初潮年齢、出産歴と、BRCA、乳腺密度、エストロゲン、アディポネクチンなどの因子、そして今後はメチル化も有力となる可能性がある。「リスクを評価し、それに合わせた検診プログラムを実施することが、検診の個別化につながる」と玉木氏は話している。