血管内皮機能の指標であるRHI(反応性充血指数:reactive hyperemia index)は、上腕駆血開放後の血管拡張反応を指尖の動脈血流量の変化として測定し算出する。日本人男性においては、small LDLコレステロール(LDL-C)値がこのRHIの独立した決定因子であることが報告された。中日病院(名古屋市)循環器内科の高橋亮太郎氏らが7月19、20日と福岡で開催された第44回日本動脈硬化学会(JAS2012)で発表した。

 血管内皮機能障害は動脈硬化の要因の1つであり、心血管疾患に寄与することが知られている。RHIは既知の心血管疾患リスク因子との関連が認められており、冠動脈の血管内皮機能障害や虚血性心疾患の予測に有用だという報告がある。

 一方、small LDLは、LDLの中でも動脈硬化性疾患との関連がより高いリポ蛋白であるが、血管内皮機能障害との関連は明らかになっていない。そこで今回高橋氏らは、RHIと、HPLC法によって定量した主要なリポ蛋白、あるいはその亜分画のコレステロールの関連について検討した。

 対象は、心血管疾患の既往がなく、投薬治療を受けていない日本人男性120例(平均年齢53歳)とした。背景は、高血圧が9.2%、喫煙率が42.5%、LDL-C値140mg/dL超が13.3%、HDL-C値40mg/dL未満が14.2%、メタボリックシンドローム保有率が9.2%で、RHIの平均値は1.76±0.41(範囲:1.06−3.07)だった。

 RHIと各種パラメーターとの単相関を見たところ、有意に負の相関を示したのは、年齢(r=−0.258、P=0.004)、心拍数(r=−0.209、P=0.022)、HbA1c(r=−0.203、P=0.026)、総コレステロール(r=−0.214、P=0.019)、LDL-C(r=−0.236、P=0.010)、medium LDL-C(r=−0.218、P=0.017)、small LDL-C(r=−0.223、P=0.014)、アポリポ蛋白B100(r=−0.192、P=0.036)、non HDL-C(r=−0.202、P=0.027)だった。

 ステップワイズ重回帰分析の結果、年齢(β=−0.266、P=0.024)、small LDL-C(β=−0.213、P=0.015)、心拍数(β=−0.183、P=0.036)の3つが有意にRHIの決定因子だった。

 これらの結果から高橋氏は、「日本人男性において、small LDL-C値は血管内皮障害の独立した決定因子であることが示された」と結論した。

(日経メディカル別冊編集)