会長を務める佐々木淳氏(国際医療福祉大学大学院創薬育薬医療分野教授)

 日本動脈硬化学会の第44回学術集会が7月19日、セミの声が出迎える福岡で開幕した。今回のメーンテーマは「動脈硬化性疾患の包括医療─ガイドライン2012─」。会長を務める佐々木淳氏(国際医療福祉大学大学院創薬育薬医療分野教授)は開会の挨拶の中で、「今後、動脈硬化性疾患をさらに予防するためにはさまざまな危険因子の包括的管理が課題」との認識からこのテーマを選んだと語った。「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012」発行後の初めてとなる今大会は、ガイドラインにも盛り込まれた「包括的管理」を軸として、19、20日の2日間にわたって議論が展開される。

 佐々木氏は、「日本の心筋梗塞の発症率は先進国の中では低い状態を維持しているものの、急速な高齢化に伴い罹患率は急激に増加している」との認識を示す。その上で、心筋梗塞や脳梗塞などの発症原因となる動脈硬化(アテローム硬化)については「多因子によって進展する」ことを強調、さらなる予防を実現するためには「危険因子の包括的管理」が重要になると訴えた。

 プログラムに目を転じると、19、20日の2日間、11のシンポジウムを始めとする30以上のセッション、ならびに約300題にのぼるポスター発表が予定されている。

会場であるヒルトン福岡シーホーク

 内容的には、メーンテーマを正面から見据えたセッションあるいは演題が目立つ。たとえば、2日目のセッション「ガイドライン2012」では、絶対リスクを導入した管理、あるいは危険因子の包括的管理を取り入れた動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012について、さまざまな視点からの発表が予定されている。このほか、シンポジウム「生活習慣病の疫学研究から動脈硬化を予防する」やワークショップ「脂質関連リスクの測定とその臨床的位置づけ」、パネルディスカッション「超高齢社会におけるリスク管理」なども行われる。

 一方、会長特別企画であるFeatured Sessionでは、「時代を変えた科学者たち」をテーマに動脈硬化の分野で重要な発見をした日本の科学者の講演が行われる。また、「アジアの玄関口」としての福岡にちなんで、「アジアにおける動脈硬化危険因子に関するシンポジウム」なども企画されている。

(日経メディカル別冊編集)