英国ケンブリッジ大学のM.J. Brown氏

 血圧が比較的高い症例では治療開始血圧を早期に低下させることで心血管イベントや死亡リスクが低下すること、そのために最初から併用療法を行うことの有効性が指摘されている。そこで、英国ケンブリッジ大学のM.J. Brown氏らは、降圧薬としてレニン阻害薬アリスキレンとCa拮抗薬アムロジピンを治療開始から併用する治療の有用性について、単独療法から開始して他方を追加する逐次療法と比較したACCELERATE Studyを実施。その結果、最初から併用療法を実施すると追加併用療法よりもより高い降圧が得られることが確認された。バンクーバーで開催された第23回国際高血圧学会のLate Breaking Clinical Trialsで報告した。

 ACCELERATE試験は10ヵ国146施設で実施されたランダム化二重盲検並行群間試験。対象は18歳以上、収縮期血圧>150mmHgの本態性高血圧患者で、収縮期血圧180mmHg以上、拡張期血圧110mmHg以上の症例は除外された。対象者は新規に高血圧を治療する患者40%と降圧治療を中断して1カ月間経過した患者60%。

 対象はアリスキレン150mg/アムロジピン5mgで開始して8週後にアリスキレン300mg/アムロジピン10mgに増量する群(併用療法開始群)、アリスキレン150mg/プラセボで開始してアリスキレン300mg/プラセボに増量する群(アリスキレン開始群)、アムロジピン5mg/プラセボで開始してアムロジピン10mg/プラセボに増量する群(アムロジピン開始群)の3群に割り付けて16週間投与し、その後、3群ともアリスキレン300mg/アムロジピン10mgを16週間投与した。

 主要評価項目は8、16、24週後の収縮期血圧低下量の平均値、24週後の収縮期血圧低下量で、後から併用療法に移行しても、最初から併用療法を行った群の降圧レベルまで血圧が低下するかどうかも検討された。なお今回の発表では、主に併用療法開始群とアムロジピン開始群を比較した結果が報告された。

 1236例登録された本試験の登録時患者背景は、平均年齢58歳、BMIは29.6kg/m2で、男性が51%。登録時の収縮期/拡張期血圧は160/93mmHgで、糖尿病合併例は12.4%だった。

 24週後までの収縮期血圧の平均低下量(8、16、24週時点の低下量の平均)は、併用療法開始群25.3mmHg、アムロジピン開始群18.9mmHgと、前者で6.5mmHg有意に低く、24週後の群間差は1.4mmHgと併用療法開始群で有意に降圧された。

 また、24週後までの拡張期血圧の平均低下量(8、16、24週時点の低下量の平均)は、併用療法開始群の方が3.8mmHg低く、24週後の群間差は0.9mmHgと併用療法開始群で有意に優れていた。

 血漿レニン活性は、併用療法開始群、アリスキレン開始群では抑制されたが、アムロジピン開始群では上昇し、アリスキレンを併用した後に低下した。

 有害事象の発現率は併用療法開始群66.5%、アリスキレン開始群68.3%、アムロジピン開始群65.7%、重篤な有害事象の発現率はそれぞれ2.3%、2.9%、2.9%であった。また、アムロジピン開始群では末梢浮腫の発現率、有害事象による治療中止率が有意に高かった。

 以上の結果からBrown氏は、収縮期血圧が150mmHgを超えている患者では、治療開始時から併用療法を行い、開始早期から血圧を厳格にコントロールすることが勧められると結論した。

(日経メディカル別冊編集)