関節リウマチRA)は慢性の炎症性疾患であり、RA患者は一般集団に比べ高血圧の有病率が高く、心血管疾患の罹患率と死亡率も高いことが分かっている。チェコMasaryk大学のIvan Rihacek氏らは、RA治療薬がRA合併高血圧患者の血圧日内変動に及ぼす影響を検討し、バンクーバーで9月26日から開催されている第23回国際高血圧学会(ISH2010)でその結果を発表した。

 同氏らは、RA合併高血圧患者の外来血圧および自由行動下血圧を測定し、プレドニゾロン、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、メトトレキサート(MTX)の長期投与が血圧の日内変動に及ぼしているか否かを検討すした。

 対象は臨床的に安定しているRA患者60人(男性15人、女性45人)で、平均年齢は58歳、BMIは26.8kg/m2、Steinbrocker分類による病期は平均2.6。降圧薬は40人に既に投与されており、その内訳を見ると、β遮断薬が68%、ACE阻害薬が45%、Ca拮抗薬が38%、利尿薬が35%、ARBが13%であった(重複投与あり)。なお、残りの20人は高血圧の新規診断例あるいは未治療例だ。

 血圧値・心拍数に関しては、外来が139.0/85.7mmHg・74.9拍/分、24時間自由行動下が127.7/77.7mmHg・73.9拍/分、起床時が132.4/80.5mmHg・76.9拍/分、就寝時が115.3/68.0mmHg・66.4拍/分であった。また、脈圧についてはそれぞれ54.7mmHg、50.1mmHg、50.9mmHg、47.3mmHgであり、RA合併高血圧患者の脈圧が一般集団の上限値(外来で55mmHg、自由行動下で50mmHg)と同等であることが分かった。

 また、RA治療薬別に血圧の日内変動パターンを収縮期血圧で調べたところ、プレドニゾロン投与群(41人)においてはdipper型(睡眠時血圧が昼間覚醒時血圧より10%以上20%以下の下降)が44%、excessive-dipper型(同20%超の下降)が22%、non-dipper型(同10%未満の下降)が29%、riser型(同上昇)が2%。NSAID投与群(50人)においてはそれぞれ46%、20%、28%、6%であり、MTX投与群(36人)においてはそれぞれ50%、28%、20%、2%であった。すなわち、プレドニゾロンあるいはNSAID投与群では、一般的な高血圧患者群よりnon-dipper型あるいはriser型が多いと考えられた。

 Rihacek氏はこれらの結果を踏まえ、RA合併高血圧患者においてRA治療薬が血圧日内変動に影響を及ぼしている可能性を指摘した。

(日経メディカル別冊編集)