JMS-1試験の報告をする自治医大の苅尾七臣氏。

 早朝高血圧患者において、自己測定による早朝血圧を指標に、α1遮断薬ドキサゾシンを追加投与すると、血圧も微量アルブミン尿症も改善するが、β遮断薬の併用は心機能に対する有害事象となり得ることが、早朝高血圧管理の臓器障害抑制に関する多施設オープンラベル試験JMS-1Japan Morning Surge-1)で明らかになった。自治医大循環器内科教授の苅尾七臣氏が、16日の一般口演「交感神経性自律神経系」セッションで報告した。

 JMS-1では、自己測定による早朝収縮期血圧が135mmHg以上で、3カ月以上降圧薬を服用している安定した高血圧患者611人(平均70歳)を対象とした。就寝時にα1遮断薬ドキサゾシンを追加投与する群と、現在の治療を続ける群の2群に分け、さらに試験開始から3カ月目に、早朝収縮期血圧が135mmHg以上であれば、ドキサゾシン群にはβ遮断薬を追加した。2群間で服用している薬剤の種類や服用率に有意な違いはなかった。

 試験の主要アウトカム評価項目は、尿中微量アルブミン/クレアチニン比(UAR)と、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の6カ月間の変化とした。

 その結果、早朝血圧は、ドキサゾシン群では対照群に比べて顕著に低下した(-13mmHg 対 -4mmHg、P<0.001)。UARは、ドキサゾシン群では3.4mg/g Cr減少したが、対照群では変わらなかった。またドキサゾシン単独では2.4mg/g Crの減少だったが、ドキサゾシンとβ遮断薬の併用では、5.6mg/g Cr減少し、いずれも腎臓保護作用のあることが示された。

 ところが、β遮断薬を追加投与した群ではBNPが9.5pg/mL増加した(P<0.001)。これについて苅尾氏は、「α、βのアドレナリン作用阻害が重なることで、心機能に対しては有害に働く可能性が示された」と考察していた。