「ラクナ脳梗塞は降圧治療の対象になるだろう」と語る国立循環器病センターの豊田一則氏

 虚血性脳卒中の急性期における血圧管理では、脳卒中のサブタイプが重要な因子になるようだ。入院直後の血圧変動を調べた研究で、ラクナ脳梗塞患者は他のタイプよりも血圧が高いことが示された。16日の一般口演「脳卒中、アンジオテンシン」のセッションで発表した国立循環器病センター内科脳血管部門医長の豊田一則氏は、ラクナ脳梗塞では脳卒中急性期の降圧で問題となる虚血性領域(ischemic penumbra)が小さいことから、降圧治療の対象になるだろうと指摘した。

 研究では、脳卒中発生から48時間以内に入院した患者588人(平均70歳)において、TOAST(Trial of ORG 10172 in Acute Stroke)分類に基づいて4タイプに分け、入院6日間の血圧を分析した。

 患者の割合はラクナ梗塞が30%、アテローム血栓性脳梗塞18%、心原性脳塞栓症34%、その他が18%だった。高血圧症の既往はそれぞれ86%、76%、62%、59%と異なっていたが、脳卒中発生前の降圧薬の使用頻度は4タイプ間で有意な違いはなかった。

 血圧測定を、入院時、6〜12時間後、12〜24時間後、24〜36時間後、3〜4日後、5〜6日後に実施し、変動をみたところ、ラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞の患者では、6日間にわたって収縮期血圧が他の2タイプより有意に高く、拡張期血圧でもラクナ梗塞が他の3タイプよりも高かった。

 高血圧症の既往がある場合、脳卒中の急性期においても血圧の上昇が顕著になる。このため反復測定による二元配置分散分析において、高血圧症既往で調整した結果、糖尿病の既往も、急性期の高血圧に関与することが分かった。