未治療高血圧患者にバルサルタンを単独投与したところ、24時間にわたる降圧がカンデサルタンよりも優れるとの結果が報告された。報告者は奈良県立医大の山野繁氏。16日のポスターセッションでデータが示された。

 本検討の対象は、いかなる降圧薬の投与も受けていない未治療高血圧患者の28例(平均58±10歳)。試験開始時血圧値は157/93mmHg、全例がWHO/ISH ClassIIであった。

 対象患者は、14例ごとバルサルタン群もしくはカンデサルタン群に無作為で割り付け、前者では80mg/日にて開始後、第4週から160mg/日へ増量可、後者では8mg/日にて開始後、同じく12mg/日へ増量可とした。患者背景には群間差異を認めていない。

 評価項目として、試験開始時と8週後に24時間自由行動下血圧(ABPM)を測定し、Smoothness Index(SI値注1)を求めた。

 その結果、第8週の収縮期血圧でみたSI値は、カンデサルタン群の1.72に比し、バルサルタン群で3.16と著明な高値になっており、24時間にわたる降圧がバルサルタン群でより強力に、そして安定的に得られていることが示された。

 第8週の収縮期血圧を時刻別にみると、昼間と起床3時間の値がバルサルタン群でより低下しており、これが良好なSI値に反映されたものと示唆される。バルサルタン群とカンデサルタン群の血圧値は、昼間が133mmHg 対 141mmHg(P=0.005)、起床3時間が139mmHg 対 144mmHg(P=0.003)だった。

 ちなみに、増量を認めていない第2週の外来収縮期血圧においても、バルサルタン群の降圧効果が優れていた(143mmHg 対 152mmHg、P=0.045)。以上のことから、未治療高血圧患者の降圧治療において、バルサルタンの単独投与が十分にその役割を果たすものと考えられた。

注1 Smoothness Index(SI値)
△H(治療による1時間ごとの血圧平均降下値)を、SD(1時間ごとの血圧平均降下値の標準偏差)で除した値。降圧効果の均一性に加え、降圧効果そのものを反映する指標としてイタリアのMancia氏らが提唱。この値が大きいほど24時間にわたる降圧効果が強力、かつ一定に得られる。従来のT/P比は、1日の2つの時点から計算されるために測定誤差を含みやすいが、SI値は多数の時点から求められることで高い信頼性(再現性)を有しており、昨今はABPMの解析パラメータとして汎用されつつある。