「血清TGFβ1値は左室肥大の有意なマーカーになり得る」と語るMount Sinai医科大学のClive Rosendorff氏。

 高血圧患者の15〜20%が発症し、予後を悪化させる要因となる左室肥大のマーカーとして、血清中のトランスフォーミング成長因子β1(TGFβ1)が有望とする研究成果が報告された。米国Mount Sinai医科大学のClive Rosendorff氏が16日のポスターセッションで発表した。

 左室肥大は心血管疾患の有病率を2.3倍にし、あらゆる原因による死亡は2.5倍に増やすが、既知の心血管危険因子で説明できるのは40%程度だという。そこで著者らは、ECHOスタディ(Echocardiographic study of the effect on Cardiovascular Hypertrophy of Olmesartan)の被験者のうち、高血圧で左室肥大と診断された76人の患者について、ベースラインの血清TGFβ1値、血漿レニン活性、アルドステロン値、年齢、高血圧歴年数、平均動脈圧、体表面積などを分析した。

 このうち、左室の質量と有意に関係していたのは血清TGFβ1値で、測定値が高いほど左室質量は多かった(スピアマンの相関係数=0.308、P=0.015)。この関係は、年齢、体重、身長、体表面積、高血圧の程度、病歴年数とは無関係だった。さらに、左室の求心性肥大の患者(65人)に限定して分析すると、TGFβ1と左室質量の関係はさらに強まった(スピアマンの相関係数=0.425、P=0.0004)

 これらの結果から研究グループは、年齢や病歴などの既知の危険因子と同様、血清TGFβ1値は左室肥大の有意なマーカーになり得ることを示唆していた。