「低血圧だと、STEM)患者はより重症化する可能性がある」と発表するワルシャワ医学アカデミーのKrzysztof Filipiak氏

 低血圧だと、ST上昇心筋梗塞STEMI)患者はより重症化する可能性があるとするポーランドの研究成果が報告された。標準的な治療を受けたSTEMI患者の入院時の血圧が、1年間の全死亡率にどう影響するかを前向きに評価したところ、収縮期圧130mmHg超だと130mmHg以下に比べ、死亡リスクが60%も低いことが明らかになった。ワルシャワ医学アカデミーのKrzysztof Filipiak氏が16日の一般口演セッション「心臓疾患1」で発表した。

 研究グループは、ワルシャワに6カ所ある循環器センターのひとつBanach病院で、標準的な治療を受けた601人(平均年齢63歳)のSTEMI患者を1年間追跡した。予後に影響する因子を、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて同定し、予測の有用性はROC曲線下面積を用いて評価した。

 治療は欧州心臓病学会(ESC)の最新のSTEMIガイドラインに即して行われ、81.2%の患者が再灌流治療を受けた。1年間の全死亡率は14.8%だった。入院時に得られたすべてのデータを基に1年後の死亡を予測するモデルを構築したところ、死亡リスクを高める要因は数多く見られたが、リスクを下げる要因は、収縮期圧が130mmHg超(オッズ比0.39、P=0.002)、入院前2週間未満の初発狭心症(0.38、P=0.003)のみだった。構築されたモデルは適合度が高く、ROC曲線下面積=0.85と予測精度も良好だった。

 この発表に対する会場の注目度は高く、好意的な評価が集まった。中には「血圧が高い方が良好な予後だというが、例えば200以上になっても放置するのか」という質問も。これに対してFilipiak氏は、「当然、ガイドラインに沿って治療を行う」と答えた。