米ミネソタ大学のKamakshi Lakshminarayan氏

 急性脳梗塞患者は、脳卒中後の5年余りの間に半数以上が死亡し、94%もが再入院していた――。急性脳梗塞患者データベースを用いた長期追跡調査の結果、こうした実態が明らかになった。米ミネソタ大学のKamakshi Lakshminarayan氏(写真)らが、2月24日から26日まで米サンアントニオで開催された国際脳卒中学会ISC2010)で発表した。

 Lakshminarayan氏らは、ミネソタ州脳卒中治療対策改善プロジェクト(PRISMM)により蓄積されている患者データベースから、2000年7月1日から12月31日までに急性脳梗塞で19のミネアポリスーセントポール都市圏の病院に入院した全患者のデータを抽出し、治療に関する詳細な情報をまとめた。

 演者らが着目したのは、死亡率および肺炎、肺塞栓、股関節骨折、脳卒中再発、冠動脈疾患などの合併症での再入院率。計697人の患者を対象とし、5年余におよぶ長期予後の観察を行った。

 対象患者は、(1)当時のミネソタ州在住の初発脳卒中患者、(2)当時65歳以上の初発脳卒中患者、(3)メディケアパートA(通常の診療対象)とB(入院対象)への加入者、(4)脳卒中でのメディケア入院記録がありそれがPRISMM内の情報と合致する人――だった。

 着目した合併症での再入院が生じるまでの時間については、退院日からその事象が最初に生じるまでの日数とした。初発入院から他の病院に転院した場合は、再入院とはみなさなかった。患者の死亡時または完全にメディケア加入から離脱した時点で追跡を打ち切りとした。再入院が最初に生じるまでの時間をKaplan-Meier生存曲線を用いて表示し、それぞれの合併症ごとの累積発生パーセントと95%信頼区間を求め評価した。

 追跡調査の結果、初発脳卒中による入院から退院した患者(683人)のその後の行き先は、自宅242人(35.4%)、在宅ケア78人(11.4%)、リハビリ施設130人(19.0%)、介護施設や他の施設およびその他196人(29.0%)だった。なお死亡退院は、37人(5.5%)だった。

 死亡の累積発生数(n=697)は、最初の1年以内で24.7%、5年以内で55.3%だった。この傾向は性別に関係なく観察された。

 再入院に着目すると、脳卒中再発、肺炎および心不全が主たる原因だった。たとえば、脳梗塞再発による入院の累積発生数(n=689)は最初の1年以内で6.2%、5年以内で24.6%、脳出血再発による入院の累積発生数(n=689)は最初の1年以内で0.8%、5年以内で4.0%だった。

 肺炎による入院の累積発生数(n=689)は最初の1年以内で8.2%、5年以内で27.1%、心不全による入院の累積発生数(n=689)は最初の1年以内で4.7%、5年以内で21.3%だった。

 演者らは、脳卒中再発、肺炎および心不全が最も一般的な脳卒中後の再入院の原因であり、特に脳卒中再発は5年以上にわたって高頻度に発生し続けていることから、「2次予防プログラム、3次予防プログラムの重要性が改めて示された」と総括した。

(日経メディカル別冊編集)