カナダ・トロント大学のGustavo Saposnik氏

 脳梗塞のどのサブタイプの患者であっても、脳卒中ユニットでの集中治療が有益であることが分かった。カナダ・トロント大学のGustavo Saposnik氏(写真)らが、2月24日から26日まで米サンアントニオで開催された国際脳卒中学会ISC2010)で発表した。

 カナダでも、脳卒中後の良好な治療成果を目指した体系的な脳卒中治療が確立されている。しかしながら、治療の大きな柱の1つである脳卒中ユニットの有益性を証明するエビデンスは限られているという。特に、脳梗塞のサブタイプのどの患者に対しても脳卒中ユニットでの治療が有益であるかどうかは、明らかにされているとは言いがたい。こうした問題意識から演者らは、脳卒中ユニットの有益性がすべてのサブタイプの脳梗塞患者において同等であるかどうかを検証した。

 演者らは、カナダ脳卒中ネットワーク(RCSN)に登録されているデータを解析対象とした。2003年7月から2007年9月までに急性脳梗塞で入院した患者のデータを抽出し、脳梗塞のサブタイプを修正TOAST基準に従い同定し、小血管疾患、大動脈アテローム性動脈硬化症、心塞栓、またはその他(これら以外の疾患として同定されたもの、原因不明のものの両方を含む)に分類した。ロジスティック回帰分析および生存分析を用いて脳卒中ユニットへの入院と30日時点の死亡との関係を調べた。

 対象はオンタリオ州の各地方の脳卒中ユニットへ入院した脳梗塞患者6223人で、平均年齢は71.9±1.8歳、52.4%は男性だった。全体の30日時点の死亡率は12.2%だった。

 脳梗塞をラクナ、大動脈アテローム性動脈硬化症、心塞栓およびその他に分け、それぞれのサブタイプ別に30日リスク補正脳卒中死亡率を求めた。

 その結果、多変量解析において、年齢、性別、合併症の数、および脳卒中の重症度で調整したところ、脳卒中死亡率はすべてのサブタイプで、脳卒中ユニットへ入院したことにより、脳卒中ユニット以外での治療を受けた群よりも有意な低下を認めた(p<0.001)。

 演者らは、本研究によって、「脳梗塞のどのサブタイプの患者に対しても、病因にかかわらず脳卒中治療室への入院が有益であることが示された」と結論。その上で「脳卒中ユニットへ入院させるかどうかは、脳卒中のサブタイプに影響されてはならない」と訴えた。

(日経メディカル別冊編集)