収縮期血圧(SBP)は、脳卒中全体、虚血性脳卒中あるいは出血性脳卒中のいずれでも、有意な予測因子であることが分かった。ボストンのBrigham and Women's 病院のThomas Bowman氏が2月18日、セッション「Community/Risk Factors」で発表した。

 高血圧は、脳卒中の確立した危険因子である。だが、脳卒中の最善の予測因子かどうかは、はっきりしないまま。この問題意識の基に研究グループは、高血圧が脳卒中全体、あるいは虚血性や出血性それぞれの脳卒中を予測する因子として位置づけられるかどうか検討した。

 研究グループは、健康な男性医師を対象に行われた大規模臨床試験Physicians' Health Studyにおいて、19.4年間(中央値)追跡された1万1467人を対象に、前向きの調査を行った。収縮期血圧(SBP) と拡張期血圧(DBP) については、ベースラインと2年後のデータを収集した。分析では、脳卒中の主な危険因子で調整したコックス比例ハザードモデルに基づき、脳卒中全体、あるいは虚血性、出血性の脳卒中を発症する相対リスクとその95%信頼区間を求めた。

 追跡期間中508件の脳卒中が把握された。虚血性が411例、出血性が89例、病因不明が8例だった。収縮期血圧(SBP) が10mmHg上昇するごとに脳卒中を発症する相対的リスクは、脳卒中全体が1.31(95%信頼区間1.20-1.42)、虚血性脳卒中が1.28(95%信頼区間1.16-1.40)、出血性脳卒中が1.38(95%信頼区間1.13-1.68)だった。

 一方、拡張期血圧(DBP) 、脈圧(pulse pressure:PP)および24時間血圧平均値(MAP)は、収縮期血圧(SBP)単独より優れたパラメーターではなかった。また、拡張期血圧(DBP) を収縮期血圧(SBP)に加えても、脳卒中全体、虚血性あるいは出血性脳卒中のいずれでも、収縮期血圧(SBP)単独の結果を有意に向上させることはなかった(すべてp>0.05)。

 これらの結果から研究グループは、「収縮期血圧(SBP)は、脳卒中全体、虚血性脳卒中あるいは出血性脳卒中のいずれでも、有意な予測因子だった」と結論づけた。また、収縮期血圧(SBP)だけが危険を予測するパラメータであったことから、脳卒中の予防上の意義も強調した。