小児の急性動脈性虚血性脳卒中 (AIS) における臨床的な兆候が明らかになった。前向きコホート研究によるもので、頻繁な片頭痛、急性の小脳性運動失調、てんかん様症状など、小児の他の一般的な疾患と同様の兆候を示すことが分かった。ペンシルバニア大学医学部のRebecca Ichord氏らが2月18日のセッション「Pediatric Stroke」で発表した。

 小児AISに対する血栓融解療法などは、診断が遅れるとそれだけ治療内容が制限を受けてしまう。しかしながら、前向きコホート研究などから得られた小児AISの臨床像に関する論文は、ほとんど見当たらないのが現状。研究グループは、小児AISの症状が現われる時期やその兆候などの特徴を見い出すため、コホート研究を行った。

 コホート研究は、1施設による前向きの調査で、2003年3月から2004年12月までに、同大学小児病院の救急に運び込まれた2〜18歳の小児AIS症例を対象に行われた。頭部外傷や脳膜炎、あるいは他の病気などのために現われた脳卒中発作だった症例は除外された。

 研究では、症例ごとに、症状の特徴や発作が現われた時期を示すチャートや、発作出現から治療までの期間などに関するデータを収集した。
 
 その結果、小児AISの症例は12症例で、平均年齢10歳(2〜17歳)、うち男児が7例だった。発作症状が現われてから治療開始までの時間は、中央値で5.6時間(30分〜5日)だった。12例中6例は、発作が起こってから3時間以内に医療機関に運び込まれていた。

 発作が現われてから、救急での専門的な脳卒中治療(血管内経路の確保や抗血栓療法など)が開始されるまでの時間は、中央値で23時間だった。特異的造影検査による診断が出るまでは、中央値で36時間だった。

 小児AISの初期症状としては、急性の片麻痺 (5例) 、失調性歩行 (5例) 、四肢や顔面筋の不規則な痙攣様の不随意運動(1例) 、めまい (1例) などが確認された。また、4例で頭痛と、3例で痙攣発作が確認された。4例では、嗜眠、あるいは一時的な発作が確認された。

 今回のコホート研究では、発作症状が現われてから地域の病院に運び込まれた症例がほとんどだった。しかし、発作が現われてから救急部門で専門的な脳卒中治療が開始されるまでに24時間近くかかっていたことも明らかになった。

 これらの結果から研究グループは、「子どもにおけるAISの臨床的な兆候は、頻繁な片頭痛、急性の小脳性運動失調、てんかん様症状など、小児の他の一般的な疾患と同様の兆候を示す」と指摘した上で、「プライマリケアで、小児の脳卒中に関する知識と管理技術が普及すれば、治療効果は向上するに違いない」と主張した。