軽度の急性虚血性脳卒中患者も、血栓溶解療法から除くべきではないことが示された。脳卒中の度合いが軽度であることや軽度の患者は血栓溶解療法なしでも良くなるという仮説があるために遺伝子組み換え組織活性化因子(rtPA)を用いた治療を行わない場合が少なくない。しかし、rtPAで治療した場合の方がしなかった場合よりも、予後がよいことが明らかになった。結果の詳細は、米Texas大学のN.R.Gonzales氏らのグループが2月16日、米国で開催された国際脳卒中会議の口演で発表した。

 研究グループはNIHSスコアが7以下の患者を同定、さらにNIHSSが1から3までの最小症状群とNIHSスコアが4から7の軽度症状群に分けて評価を行った。modifiedRankin Scaleが0から1の場合を優秀な結果であると判定した。

 対象には、885人の急性虚血性脳卒中患者をスクリーニングし、NIHSスコアが7以下の患者238人を同定した(最小症状群が103人、軽度症状群が135人)。238人のうちrtPAの治療を受けたのは17%の41人に留まっていた。軽度症状群の患者のうち23%がrtPAの治療を受けていたが、最小症状群の患者では10%に留まっていた。

 rtPAの治療を受けた患者は、オッズ比で2.47倍(95%信頼区間2.0-5.1、p=0.01)優秀な結果となることが示された。全体としてはrtPA非治療群で44%が優秀な結果となったのに対して、rtPA治療群は59%が優秀な結果となった。

 最小症状群でrtPA治療を行った場合、患者の90%が優秀な結果が得られたのに対して、行わなかった場合は58%に留まった。また軽度症状群でもrtPA治療を行った場合は患者の48%で優秀な結果が得られたのに対して、行わなかった場合は32%となった。さらにrtPA治療を行った場合は死者が出なかったのに対して、行わなかった場合は1%が死亡した。

 発表したN.R.Gonzales氏は、「軽度の急性虚血性脳卒中患者であっても、血栓溶解療法から除くべきではない」と強調し講演を結んだ。