発作後に高血糖となる急性脳卒中患者の正常血糖を維持するために、グルコースとカリウムとインスリン(GKI)の注入効果を調べている多施設ランダム化比較試験(GKI-UK)で、GKIが血圧に及ぼす影響について調査した結果が報告された。英国Newcastle大学のChris S Gray氏らが2月17日のセッション「Acute Management」で発表した。

 調査対象は、急性脳卒中患者 (脳梗塞または脳内出血) で、発作後24時間以内にGKI注入群(421例)と生理食塩水注入群(対照群、427例)のそれぞれに無作為に割り付けられた。年齢や性別、発作から処置までの時間などに、両群で有意な違いはなかった。注入は、24時間にわたって1時間当たり100mLを静注した。

 GKIの注入は、毛細血管内のグルコースを4〜7mmol/Lに維持することが目的で、今回の割り付け時の血漿グルコースは6.1〜17.0mmol/Lだった(対照群では血漿グルコース濃度を修正する介入はしていない)。血圧と脈拍数は、処置の開始時とそれ以降4時間ごとに測定した。また血漿グルコース、尿素、電解質は、入院時と入院後24時間および入院後48時間に測定した。

 今回の研究では、848症例が対象になった。年齢は76.0歳(中央値)で40〜97歳と幅があった。糖尿病歴は16.5%に確認された。

 試験の結果、GKI群の収縮期血圧と拡張期血圧は、処置後の最初の4時間以内に降下し、それ以降も、対照群より有意に低い状態を維持した。GKI群では、処置後24時間の収縮期血圧は対照群より平均で12.4mmHg低く、また拡張期血圧も平均5.41mmHg有意に低かった(それぞれp<0.001とp<0.05) 。

 こうしたGKIによる有意の血圧降下は、急性脳梗塞と急性脳内出血の両方で観察された。ただし、糖尿病歴がない場合に限られていた。なお、GKI-UKは、2006年3月に終了し、同年秋には分析結果が出る予定。今回の発表は、試験の安全モニタリングの一環として行われたもの。