セロトニン2型受容体(5-HT2受容体)に対する拮抗作用により血小板凝集抑制作用、血管収縮抑制作用などを示す塩酸サルポグレラートの血栓症抑制効果が検討されているが、本剤の脳梗塞再発予防効果を検証した無作為化臨床試験「S-ACCESS(Sarpogrelate-Aspirin Comparative Clinical Study for Efficacy and Safety in Secondary Prevention of Cerebral Infarction)」の結果が、2月16日の一般口演で東海大学の篠原幸人氏により報告された。それによると、サルポグレラートの脳梗塞再発抑制効果はアスピリンとの比較において非劣性は証明されなかった。

 S-ACCESSでは、発症後1週間〜6カ月の脳梗塞患者1510例をサルポグレラート(100mg×3回/日)またはアスピリン(81mg×1回/日)による治療に無作為割付し、二重盲検法により最長3.5年間追跡、両群の脳梗塞再発および安全性関連イベントの頻度を比較した。解析対象となったのは1499例(サルポグレラート群747例、アスピリン群752例)である。対象患者の年齢、性別構成、脳梗塞の病型別頻度、合併症の頻度などの背景因子には、両群間で有意差は認められなかった。

 観察期間中にサルポグレラート群で72例、アスピリン群で58例の脳梗塞が発生した。年間再発率はサルポグレラート群6.09%、アスピリン群4.86%であり、ハザード比は1.25、その95%信頼区間は0.89〜1.77であり、有意な差は認められなかった。本試験はサルポグレラートの脳梗塞再発抑制効果がアスピリンに劣らないこと(非劣性)を証明することを目的のひとつとして実施されたが、その条件はハザード比の95%信頼区間の上限が1.33を超えないことである。したがって、非劣性の証明には至らなかったものの、急性冠症候群を含むすべての血管性イベントの発生頻度は両群でほぼ同程度に抑制された。

 もうひとつの1次評価項目である安全性に関する結果をみると、試験薬に関係すると考えられる副作用の発生率はサルポグレラート群34.5%、アスピリン群36.9%であり有意差は認められなかったものの、出血性イベントの頻度はアスピリン群の13.6%に対しサルポグレラート群は8.0%と有意(p<0.01)に低かった。

 篠原氏は以上の結果に基づき、S-ACCESS試験においてサルポグレラートは、アスピリンとの比較において、脳梗塞再発予防の面では非劣性の条件を満たさなかったが、出血性副作用はアスピリンに比べ有意に低頻度であり、また全身血管イベント予防効果はアスピリンと同程度で、さらに糖尿病合併例での効果も期待できると報告した。