新たに2型糖尿病と診断された成人の糖尿病患者と55歳未満の糖尿病患者は、脳卒中を発症するリスクが高いことが明らかとなった。米国フロリダ州キシミーで開催されている国際脳卒中会議のポスターセッションで2月16日に発表された。

 カナダAlberta大学のThomas Jeerakathil氏らのグループは、新たに糖尿病と診断された患者は一般人に比べて2倍、脳卒中を発症する率が高いことを明らかにした。Jeerakathil氏は、「診断されてから最初の5年間の発症率が2倍になる。この事実は、糖尿病の循環器系への影響が診断された時点で存在していることを意味しており、これらの患者への積極的な予防が必要だ」としている。

 Jeerakathil氏らはカナダSaskatchewan地方のデータベースを解析し、1991年から1996年の間に糖尿病薬の処方を新たに受けた1万2272人(平均年齢64歳)の患者の処方後5年間のフォローアップを行った。その結果、脳卒中で9%以上が入院し、そのうち5分の1が5年間の間に死亡した。年齢調整をしたところ糖尿病患者では、10万人あたり1025人の頻度で脳卒中を発症したのに対して、一般人の脳卒中発症率は10万人あたり499人だった。

 一方、米Cincinnati大学のBrett M Kissela氏らの研究グループは55歳未満のアフリカ系米国人で、最も糖尿病が脳卒中のリスクを高めることを見出した。

 Kissela氏らは、Greater Cincinnati地域の5つの群の人口データベースを解析した。脳卒中の発症率と2型糖尿病の有無を調べた。その結果、Cinncinnati都市地域で1999年に2432件の脳卒中が発生し、患者のうちの33%が脳卒中発症前に糖尿病だと診断されていた。糖尿病患者で脳卒中を発症した患者の平均年齢は70歳で、非糖尿病患者の脳卒中患者の平均年齢は73歳だった。また糖尿病患者で脳卒中を発症した患者の25%がアフリカ系米国人で非糖尿病患者で脳卒中を発症した患者では15%だった。

 Kissela氏は「我々は既に糖尿病と高血圧を合併すると脳卒中のリスクが高まること、糖尿病の人は高血圧になりやすいことを明らかにしてきた。今回の研究で我々は、糖尿病で脳卒中を起こした患者の82%が高血圧であるのに対して、非糖尿病で脳卒中を起こした患者で高血圧だったのは66%であることを明らかにした」と語った。また解析の結果、糖尿病患者で脳卒中を起こした患者の31%が高コレステロール血症と診断されていたのに対して、非糖尿病群では18%だった。最も大きい脳卒中のリスクは白色系、黒色系のどちらでも55歳未満であることだったが、アフリカ系米国人の場合、特に45歳より前で糖尿病の有無によって7倍から9倍リスクが高まっていた。