10月18日から22日にかけてカナダ・モントリオールで開催された第20回世界糖尿病会議で、オーストラリア・The George Institute UniversityのJohn Chalmers氏は、ADVANCE試験において、厳格な血糖コントロールが患者に与えた影響について、新たな結果を報告した。

 ADVANCE試験に登録されたのは、大小血管障害の既往やその他の血管疾患の危険因子があるハイリスクの2型糖尿病患者1万1140人。このうち、SU薬(グリクラチド徐放剤;日本未承認)の投与を中心とする治療によりHbA1c値6.5%以下を目指す強化療法群に5571人、特に目標を定めない標準療法群に5569人がランダムに割り付けられた。

 まず、フォローアップ期間中のHbA1c値と血管イベントと死亡のリスクについての関連が発表された。その結果、主要細小血管イベント、主要大血管イベントともに、HbA1cの平均値が高いほど、明らかに増加していた(p<0.0001)。

 HbA1c値が1%低下するごとに、大血管イベントは22%減少しており、細小血管イベントも26%減少していた(p<0.0001)。また同様に、総死亡率は、22%減少、心血管死も25%減少していた(p<0.0001)。

 さらに、ベースライン時の尿中アルブミンとeGFR(糸球体濾過量推算値)はともに大血管イベントリスクと相関があり、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)が高くなる、もしくはeGFR値が低くなると、大血管イベントおよび心血管死のリスクともさらに高くなっていた(いずれもp<0.0001)。

 最後に、年齢や性別、糖尿病罹病期間やベースライン時のHbA1c値、腎機能の状態、大血管障害の既往歴など、どのようなサブグループにおいて、SU薬をベースにした厳格な血糖コントロールが、主要評価項目において最も効果的であったかを解析した。その結果、SU薬をベースにした厳格な血糖コントロールは、いずれのサブグループにおいてもほぼ同様の結果を示しており、いずれのサブグループ間においても明確な差を示すものではなかった。

 Chalmers氏は最後に、現在、試験後のさらなる観察研究として、ADVANCE-ON試験が継続中であることを明らかにした。

(日経メディカル別冊編集)